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【コウノドリ】2017年 第3話 無痛分娩をめぐる日本の産科医療の現実とは

こんにちは! 「コウノドリ」大ファンの、えいぷりおです。

僕はこのブログで「無痛分娩」について多くの記事を書いてきました。妻が無痛分娩にからむ医療事故で苦しんだ経験があるため、無痛分娩を安易に勧める風潮に対しては批判的な立場です。

【無痛分娩を考えている人へ】メリットとデメリット、硬膜外麻酔のリスク、僕の妻が体験した医療事故

けれど、妊婦さんの身体の状態によっては、無痛分娩が必要な措置となることもあります。

2017年10月からスタートしたドラマ「コウノドリ」の第2シリーズ。10月27日放送の第3話では、無痛分娩での出産に葛藤する若い妊婦の姿が描かれました。

今回はドラマのシーンを振り返りながら、無痛分娩が必要なケースについて考えてみます。

無痛分娩で出産する妊婦

以前、このブログで「コウノドリ」原作漫画の第10巻で描かれた無痛分娩のエピソードを取り上げたことがありました。

【コウノドリ】漫画 第10巻 「無痛分娩」が心疾患を抱える妊婦に適用されるケース
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ここでご紹介したお話が、ドラマでも取り上げられました。

「肺動脈狭窄症」という心臓疾患を持つ若い妊婦、山崎麗子を演じたのは、AKB48の元メンバー、川栄李奈さん。

彼女が抱えている病気について、綾野剛さん演じる主人公の産科医、鴻鳥サクラは、こんな風に説明します。

「肺動脈狭窄症は、心臓から肺へ行く動脈の弁が狭くなっている病気です。弁が狭いので肺に血液を送るために心臓は頑張ってポンプします。なので心臓に負担がかかるんです。日常生活は問題ないと思います。

ただ出産は別です。自然分娩の場合、赤ちゃんを産む時、お母さんは身体中に力を入れていきみますよね。陣痛も日常にはない負担を心臓にかけますから、分娩時痛みを逃がす麻酔が必要なんです」

この妊婦に対して鴻鳥先生は、医療的な措置として「無痛分娩」を行うべきだと説明しています。

ここで注意が必要なのは、近年急速にその数が増えている「妊婦希望による無痛分娩」ではない、ということです。

妊婦希望の無痛分娩を受け付けるべきか

鴻鳥先生が務める聖ペルソナ総合医療センターの産科では、妊婦希望による無痛分娩は受け付けていません。この事情について、医師どうしで、こんなやり取りが繰り広げられます。

鴻鳥「それに山崎さん、無痛分娩って言われて、驚いただろうしね」

小松「ペルソナじゃ珍しいよね」
(※吉田羊が演じる助産師)

赤西「そうなんですか?」
(※宮沢氷魚が演じる研修医)

鴻鳥「うちは希望の無痛分娩は受け付けてないからね。心疾患とか必要な理由がある妊婦さんだけ

下屋「でも最近増えてますよね。あたしの友達も無痛で産んだんですけど、産後すっごく楽だったって」
(※松岡茉優が演じる産科の後輩医師)

赤西「時代のニーズだと思いますよ。欧米では半分以上が無痛の国もありますし、日本は遅れてるんじゃないですか?」

鴻鳥「うーん、それはね…」

四宮「じゃあ、お前は産科麻酔の専門医やるか?」
(※星野源が演じる産科の同僚)

赤西「産科麻酔?」

四宮毎日ひっきりなしに搬送があって、予期できない陣痛に備えて、麻酔を始めて管理していく。どうやったら全部の病院でそれができるようになると思う?

赤西「えっと…」

四宮「うちの病院の場合、産科医と麻酔科医、相当な数を増やさなきゃできるわけないだろ。外国では産科麻酔の専門医がいて、それができてんだよ。ちょっとは頭使えよ、ジュニア君」

このやり取りは、日本の産科医療の現場が、まだまだ無痛分娩を受け入れられる体制にないことを物語っています。

聖ペルソナ総合医療センターの産科は、その点、非常に誠実な対応をしていると言えます。産科麻酔の専門家を24時間体制で常駐できる環境にない以上、妊婦希望による無痛分娩は受け付けないということを明確にしているからです。

研修医の赤西が言うように、無痛分娩を「時代のニーズ」と捉え、ビジネスとして受け入れる病院が増えています。ですが、そのほとんどは産科麻酔の専門医など置いていません。小さな個人病院において、院長自らが硬膜外麻酔と分娩の両方をやっていたりするのです。

そのような脆弱な体制が、ここ数年で数多くの医療事故をもたらすことになってしまいました(後述の関連記事を参照)。

無痛分娩と迷信のはざまで

心臓疾患を抱える妊婦、山崎麗子は、すぐに迷信や人のいい加減な話を信じてしまうキャラクターとして描かれています。

友人にでたらめな話を吹き込まれた麗子は、鴻鳥先生に「無痛分娩をやめたい」と言い出します。

鴻鳥「無痛分娩をやめたい?どうしてですか?」

山崎「友達に言われたんです。無痛分娩で産むのは、赤ちゃんより自分のことが大切なんだって。楽して産むんだから、おっぱいも出ない。自然で産んだ母親の愛情にはかなわないから可愛そうって。先生、私痛いの我慢します。だから無痛分娩やめてください」

鴻鳥「もちろん、予定通り無痛分娩します」

山崎「でも…」

鴻鳥「山崎さんのお産に麻酔は最善の策です」

山崎「でも、おっぱい出ないと困るし…」

鴻鳥「山崎さん、妊娠出産は一人一人違います。考え方も人それぞれです。自然に出産する人もいれば、自分から希望して無痛分娩で出産する人もいます。僕は正直、どちらを選んでもいいと思っています」

山崎「なら、自然分娩でお願いします」

鴻鳥「おすすめできません」

山崎「なんで?」

鴻鳥「山崎さんは心臓疾患合併です。母体に負担がかかると赤ちゃんにも負担がかかります。僕は産科医なので、お友達のでたらめ話のせいで、二つの命を危険にさらすことは絶対にできません。無事に出産を終わらせる。それが僕らの仕事なんです」

下屋「山崎さんの場合はまず、手術した心臓になるべく負担をかけずに出産することが大事だと私も思います」

鴻鳥「それが赤ちゃんとの新しい生活につながっていくと思います。出産は終わりじゃない。始まりですから」

山崎の夫「俺も先生の言う通りだと思う。痛みがなきゃ愛情が生まれないって言うなら、俺たち男はどうやって父親になればいいんだよ」

山崎「あ、そっか…!」

鴻鳥「自然分娩も帝王切開も無痛分娩も、立派な出産です。育む気持ちや愛情は、僕たちではなく赤ちゃんが教えてくれますよ」

無痛分娩のメリット

今回のドラマでは、無痛分娩のお産のシーンが、非常にリアルに描かれていました。グリーンの白衣を着た産科麻酔の専門家が、陣痛を感じ始めた妊婦に硬膜外麻酔を施します。すると、すぐに陣痛が和らいでいきます。

痛みを感じなくなると、いきむのが難しくなると言われています。ドラマでは助産師たちが上手に声をかけて、いきむタイミングを伝えることで、順調にお産が進んでいきます。

下屋医師が会陰切開を、鴻鳥医師が鉗子を使った分娩のサポートをします。このあたりの描写も非常に細やかで感心しました。

赤ちゃんが出てくる瞬間、麻酔で痛みを感じないながらも、出産の感触を感じ取ろうとする妊婦。取り上げられた赤ちゃんを見て、すぐに愛情を感じます。「おなかを傷めないと、母親の愛情が湧かない」という迷信が、今でもまことしやかに言われますが、そんなことはないのです。

このように無痛分娩を採用することで心臓疾患の悪化を抑えながら、赤ちゃんに対する愛情もきちんと感じながら出産。ひとつの理想形が描かれています。

「コウノドリ」をぜひ見てほしい

「コウノドリ」の原作漫画はこちら ↓ から。2018年8月現在、21巻まで出版されています。

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今回のエピソードが収録された原作漫画は、こちら ↓ の第10巻です。

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このドラマはTBSオンデマンドで見ることができます。

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DVDボックスも素敵です。何度も見たい作品なので。

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また、Amazonプライムに加入すると、2015年に放送された「コウノドリ」の第1シリーズ全話を無料で見ることができます。

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特に妻が医療事故にあって苦しんだ無痛分娩については多くの記事を書いています。

妻がつらい思いをしているときに上手に助けてあげられなかったダメ夫の反省を交えて書いたものです。参考にしていただけますと幸いです。

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