こんにちは。えいぷりおです。
妻がうつ病などの心の不調になってしまったとき、夫はどのように対応すればいいでしょうか。
精神科や心療内科に通って薬を服用したり、カウンセリングを受けたりするのが一般的ですよね。
でも、見落としがちな原因があります。
それは、妻の心の不調の原因は夫かもしれない、ということです。
もしあなたが、病弱な妻を献身的に支える夫だとしたら、注意が必要です。
僕は長年、自分のことを「病弱な妻を支えるいい夫」だと思っていました。
でも、それは完全に間違っていたのです。
この記事は、「夫婦関係を破綻させないために」というテーマで書いた連載のひとつです。
これから大切な人とパートナーシップを育んでいこうとしている方の参考になればと思い、僕の失敗談も交えながら、「妻の心の不調は夫が原因かも…!?」という視点を持っていただきたくて、書いてみました。
【夫婦関係を破綻させないために】
- パートナーの人生を尊重する
- 妻の妊娠・出産に男はどう向き合う?
- 妻の心の不調は夫が原因? 今ここ
- 家計を管理し、家族の将来像を描く
- 住宅購入が夫婦関係を壊す?
- 自分の弱さを受け入れる
【まとめ】 「夫婦関係を破綻させないために」のまとめ記事はこちら。
夫婦関係を破綻させないためにー 失敗した僕が伝えたい6つのこと妻の心身が弱っている原因を突き止める
奥さんの心身が弱っているとき、まずは冷静に原因を探ることが大切です。
女性特有の病気には、次のようなものがあります。
【女性特有の病気】
反応性低血糖症は、血糖値のコントロールがうまくいかず、疲労感やうつ傾向など様々な症状を表す病気です。糖負荷検査で異常が発見でき、食事制限などで改善が見込めます。
鉄欠乏性貧血も、めまいや頭痛といったつらい症状を引き起こします。鉄分を効率的に補うなど治療の方法があります。
生理痛やPMS(月経前症候群)といった月経周期と関わる不調も、生活に深刻な影響をもたらします。
ここに挙げたような症状は、原因が分かれば、治療の可能性が出てきます。適切な医療機関にかかれば、きっと改善していくでしょう。
ところが、原因がまったく分からない場合があります。
激しい疲労感、起きられない、めまい、頭痛、様々な痛みといった身体的な症状、さらに精神的な症状も表れて、とても苦しんでいるのに原因が分からない。
病院を回っても「異常なし」「気のせい」と言われてしまう。
これは、とてもつらいことです。
でも実は、とても近いところに原因が潜んでいる場合があります。
そうです。旦那さん。あなた自身が原因かもしれないのです。
妻の心身が弱っている原因は「カサンドラ症候群」かも
「カサンドラ症候群」という言葉を聞いたことがありますか?
おそらく、ほとんどの方が知らないと思います。
医療の世界でも、まだあまり認知されていません。
カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群の夫を持つ妻がかかる精神症状です。
アスペルガー症候群(ASD=自閉症スペクトラム)とは、発達障害のひとつで、人の気持ちに共感できないなどの特徴があります。
軽度の場合、学校や会社では問題が表面化しませんが、夫婦関係の中で強く症状が表れることがあります。
【関連記事】 僕の体験談を交えたカサンドラ症候群の詳細はこちら。
【カサンドラ症候群】誰にも理解されない妻の苦しみ… 夫のアスペルガーは妻の心を破壊する(体験談4)夫にアスペルガーの傾向があると、妻は夫に気持ちを理解してもらえないばかりか、モラルハラスメントの攻撃対象となって精神を病んでいきます。
ところが、そのことを外で訴えても誰も信じてくれません。
夫は家の外では紳士的に振る舞っているため、逆に「奥さんが悪いんじゃないの?」と言われてしまうのです。
苦しみを誰にも信じてもらえない状況を、ギリシャ神話の女神カサンドラになぞらえて、カサンドラ症候群と呼ばれるようになりました。
あなたと奥さんの関係を振り返ってみてください。
奥さんの不調がカサンドラ症候群の可能性はありませんか?
【参考図書】 カサンドラ症候群に関する書籍が、少しずつ増えてきました。体験談を読むと自覚が促され、救いにつながると思います。
妻の心身が弱っている原因は「共依存」かも
もうひとつ、妻の不調の原因として「共依存」が考えられます。
共依存とは、お互いに相手に依存しなければ生きていけない関係性のことです。
共依存から抜け出すために、もっとも重要なポイントが「自立」です。
本来パートナーシップというのは、お互いが自立していないと、成り立ちません。
ところが、自立していない未熟な人間は、相手から自立を奪おうとします。
相手から自立を奪うとは、どういうことか。
例えば、経済的な自立を妨げるために、奥さんが働くことを認めない。
もっとひどくなると、健康に生きることそのものを妨げようとします。
奥さんが弱っている方が、「病弱な妻を献身的に支える夫」を演じることができる。
自立できていない未熟な夫にとって、この立場はとても「おいしい」のです。
恐ろしいことに、これらはまったく無自覚に行われます。
奥さんを病院に連れて行き、優しく看病したりして、表面的には「いい夫」。
でも、奥さんが本当に健康になるようなケアはしないのです。
もしかしたら、奥さんがいつまでも健康になれない理由は、あなたが奥さんを共依存の関係に引きずり込んでいるからかもしれません。
【参考図書】 共依存について書かれた本は色々とありますが、夫婦関係にも踏み込んで書いたものは限られているようです。中でもオススメなのは、こちら。
「モラハラ」は無自覚に行われる
共依存の先にあるのは、モラル・ハラスメント(モラハラ)です。
モラハラとは、言葉や態度で相手を追い詰める精神的な暴力です。
モラハラは、最初はそれと気付かないような小さなことから始まります。
例えば、料理の味が口に合わない、などの些細なことに対して、言葉では言わずに、舌打ちをするなど陰湿な態度をとります。
やっている側は、無自覚なまま、少しずつ言葉や態度をエスカレートさせていきます。
やられる側は、気付かないうちに心が傷付き、取り返しのつかないところまで精神を破壊されていきます。
ここまで来てしまったら、加害者側が自覚して改善することはありません。
被害者は一刻も早く逃げて、信頼できる人の助けを求めてください。
【参考図書】 夫からのモラハラ被害の実態を描いた迫真の手記。著者の心はどのように壊れていったのか。精神的な暴力から逃げる方法まで書かれた実用書でもあります。
【関連記事】 『夫からのモラル・ハラスメント』の書評はこちら。
【書評・本の感想】まっち~著『夫からのモラル・ハラスメント』パートナーとの生活に苦しみを感じたら読むべき名著相手の領域に踏み込まず、お互いに自立する
カサンドラ症候群と共依存、そしてモラル・ハラスメント。
もし、こういった要素に少しでも思い当たることがあるなら、そこから抜け出すことは不可能ではありません。
アスペルガー症候群そのものは治療の困難な障害ですが、発達障害の専門家など第三者の力を借りることで、閉じられた夫婦関係に風を通すことはできます。
共依存については、まず夫が自立することが第一歩となります。
自立するにはどうすればいいか、それはとても難しい問いですが、まずは自覚するところからスタートです。
自立するということは、裏返すと、相手の自立を認めるということです。
奥さんは自力で健康を取り戻せる。夫に依存しなくても、奥さんは幸せになれる。
そこを認めて、相手の領域に土足で踏み込むのをやめることが大切です。
その上で、必要なサポートが何かを考えるのです。
モラル・ハラスメントがひどくなると、離れる以外の選択肢はなくなります。加害者が自覚するのは難しいので、被害者は必ず第三者の助けを求めるようにしてください。
【参考図書】 自立とは何か、ヒントになる本。幸せとは何か… 考えさせられます。
えいぷりお的まとめ
奥さんが長期間に渡って原因不明の不調に苦しむ。その原因が夫だったというのは、実は珍しいことではありません。
夫婦という閉じられた関係の中で起こるので、なかなか表に出てきませんが、多くの人が苦しんでいると思われます。
その背景には、過保護過干渉な親によって、自立のチャンスを与えられずに育ってしまった未熟な男たちの存在があります。
奥さんの不調は、
「気付いて!」
という心の叫びかもしれません。
【夫婦関係を破綻させないために】
- パートナーの人生を尊重する
- 妻の妊娠・出産に男はどう向き合う?
- 妻の心の不調は夫が原因? 今ここ
- 家計を管理し、家族の将来像を描く
- 住宅購入が夫婦関係を壊す?
- 自分の弱さを受け入れる
【つづき】 次の記事は「家計を管理し、家族の将来像を描く」です。
夫婦円満の秘訣は「家計の管理」!? 責任を持って家族の将来像を描くためにー【まとめ】 「夫婦関係を破綻させないために」のまとめ記事はこちら。
夫婦関係を破綻させないためにー 失敗した僕が伝えたい6つのこと