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2020年6月20日 日本センチュリー交響楽団 新型コロナ後、フルオーケストラで全国最初の公演再開

2020年6月20日 日本センチュリー交響楽団7

こんにちは。そなてぃねです。

2020年6月20日、ザ・シンフォニーホールで行われた日本センチュリー交響楽団の公演を聴きに行きました。

新型コロナウイルスの影響で全国のオーケストラが公演を中止・延期に追い込まれてから約4ヶ月。今回の公演は、フルオーケストラとしては日本で最初の再開となりました。

先陣を切るのは大変なプレッシャーだったはず。万全の感染防止対策で臨んでいることが伝わってきました。

演奏者どうしもソーシャル・ディスタンスとった演奏は苦労もあったでしょうが、本当に素晴らしい響きを聴かせてくれました。

演奏会の概要

【日本センチュリー交響楽団 ハイドンマラソン19】

  1. バッハ作曲
    G線上のアリア(献奏)
  2. ハイドン作曲
    交響曲 第95番 ハ短調 Hob.1:95
  3. ハイドン作曲
    交響曲 第93番 ニ長調 Hob.1:93
  4. ハイドン作曲
    交響曲 第97番 ハ長調 Hob.1:97

指揮 飯森範親

管弦楽 日本センチュリー交響楽団

 

2020年6月20日(土)14:00~

ザ・シンフォニーホール(大阪市)

 

そなてぃね感激度 ★★★★☆

4ヶ月ぶりの生オーケストラ

世界中のオーケストラが2月末ごろから公演の中止・延期を余儀なくされました。

無観客ライブ配信など新たな試みもされてきましたが、聴衆の前で演奏することができなくなった楽団員の皆さんは、本当につらい日々を送ってきたと思います。

日本センチュリー交響楽団が最後に聴衆の前で演奏したのは2月22日。4ヶ月ぶりとなる今回の公演は、彼らにとって特別なものだったに違いありません。

演奏家の距離は175センチ

SNSの情報によると、今回の公演での演奏者どうしの距離は175センチだったようです。

世の中的なソーシャル・ディスタンスの考え方は「できるだけ2メートル、最低1メートル」となっています。

オーケストラ業界では「管楽器は2メートル、弦楽器や打楽器は1.5メートル」という、いわゆる「ベルリン基準」が参考にされることが多いようです。

今回の日本センチュリー交響楽団は、その間をとった形でしょうか。ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団が6月2日に行った無観客ライブ配信を参考にしたのかもしれません。

オーケストラの従来の配置では、演奏者どうしの距離は90~100センチほどですから、今回は倍近い距離となります。

きっと慣れない環境に戸惑ったことでしょう。オーケストラ・プレーヤーにとってお互いの距離は生命線ですから。

透明感ある響きに感動

日本センチュリー交響楽団の演奏は、そんな苦労を感じさせることなく、透明感ある響きを堪能させてくれるものでした。

首席指揮者の飯森範親さんが主導してきたハイドンマラソンシリーズは、ヴィブラートをあまりかけない「ピリオド奏法」のテイストが特徴。

これは誤魔化しのきかないシビアな演奏法。ただでさえ繊細なアプローチなのに、慣れない距離で精度の高いアンサンブルを実現するのは難しかったと思います。

でも楽団員の皆さんは立派に克服していました。

一つ一つの発音(アーティキュレーション)を際立たせて、クリアな響きを実現していました。乾いたティンパニの音が全体をキリッと引き締め、本当に気持ちのいい演奏でした。

コンサートマスター荒井英治さんや首席チェロ奏者の北口大輔さんが奏でるソロや弦楽四重奏のシーンでは、伸びやかな音を堪能させてもらいました。こういう響きはコンサートホールでしか味わえません。

首席ファゴット奏者の安井悠陽さんをはじめ、管楽器の皆さんも素晴らしく、このオーケストラの質の高さを改めて感じました。

冒頭で献奏されたG線上のアリア

2020年6月20日 日本センチュリー交響楽団7

忘れてならないのは、冒頭で演奏されたG線上のアリアです。

これは、新型コロナウイルスで亡くなった人への追悼、そして医療従事者への感謝を込めて献奏されたものでした。

これが本当に感動的で… 心に沁み入る調べでした。

観客への感染防止対策も万全

観客への感染防止対策も万全でした。

入り口で検温するのはもちろん、チケットもぎりも自分でやるし、プログラムも自分で取ります。クロークもカフェも閉鎖。接触感染を徹底して防ごうとしていることが分かります。

▼客席もソーシャル・ディスタンス。ステージに近い最前列の2~3列は閉鎖。そこからは1列おき、かつ1席おきに座ります。

2020年6月20日 日本センチュリー交響楽団1

NHKニュースウェブによるとこの日の観客は300人余とのことでした。ザ・シンフォニーホールは1704席ですからスカスカになりそうですが、全体にきれいに散らばる形になり、寂しい感じにはなりませんでした。

拍手も意外にしっかりした音で響いていて、楽団員の皆さんにも伝わったのではないかと思います。

そうは言っても、5~6分の1の集客ですから、事業としては成立せず、おそらく赤字でしょう。これは大変な問題です。

クラシック音楽の観客は「ブラボー!」さえ叫ばなければ飛沫を飛ばすリスクは低いはず。そのあたり、しっかり科学的な検証をして、集客の制限を緩和していってもらいたいものです。

全国でオーケストラが再開

日本センチュリー交響楽団に続いて、多くのオーケストラが堰を切ったように公演を再開させていきます。

翌日の6月21日には東京フィル、26日には大阪フィル、27日には京都市交響楽団へと続きます。

なんとしても感染者を出さず、着実に前進していってくれることを願うばかりです。

▼6月20日の公演から1ヶ月半後の8月7日、再び日本センチュリー交響楽団の演奏を聴きに行きました。アンサンブルの精度はさらに上がり、聴き応えのある内容でした。

日本センチュリー交響楽団 ハイドンマラソン202020年8月7日 日本センチュリー交響楽団 ハイドンマラソン20 ジョリべ作曲ファゴット協奏曲も!

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