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【オペラ物知り講座】演出家・中村敬一さんが語るヴェルディの歌劇「リゴレット」(2020年1月 大阪音楽大学)

大阪音楽大学「オペラ物知り講座」

こんにちは。そなてぃねです。

2020年1月に大阪音楽大学のミレニアムホールで行われた「オペラ物知り講座 15期 第4回」に行ってきました。

テーマは、ヴェルディの歌劇「リゴレット」。

演出家の中村敬一さんの解説を聞きながら、名シーンをギュッと凝縮して楽しめる講座でした。

講座の概要

オペラ物知り講座 15期 第4回「リゴレット」

 

構成・お話:中村敬一
ジルダ:林 佑子(ソプラノ)
マントヴァ:中川正崇(テノール)
リゴレット:田中由也(バリトン)
ピアノ:梁川夏子

 

2020年1月14日(火)18:40~
大阪音楽大学 ミレニアムホール

 

そなてぃね感激度 ★★★☆☆

オペラの魅力がぎゅっと凝縮した2時間

オペラ物知り講座「リゴレット」

「オペラ物知り講座」は、大阪音楽大学が一般向けに開講しているもの。今年度で15年目だそうです。

「これであなたもオペラ通」をキャッチフレーズに、1年間に4回行われ、オペラの魅力を学ぶことができます。

当日券は1300円。僕は今回、初めて受講してみました。

今回のテーマは、ヴェルディの歌劇「リゴレット」。物語のツボを押さえながら、選りすぐりの名アリアや重唱を紹介してくれます。

解説は、大阪音楽大学の客員教授、中村敬一さん。ウィーン国立歌劇場に留学経験もある、日本を代表するオペラ演出家のひとりです。

中村さんのお話は分かりやすく、作品の背景や登場人物の心理への理解が深まりました。

歌手へのインタビューも交えながらの進行はとても楽しく、あっという間の2時間でした。

関西の歌手のレベルの高さ

驚いたのは、歌手のレベルの高さです。

恥ずかしながら、僕は関西の歌手をほとんど知らなかったのですが、3人とも素晴らしい歌を聴かせてくれました。

初々しいジルダを演じた林佑子さん

ソプラノ林佑子

(エリザベート王妃国際音楽コンクール公式サイトから引用)

ソプラノの林佑子さんと言えば、昨年の秋に観に行った、ベッリーニの歌劇「カプレーティとモンテッキ」でのジュリエッタ役が、強く印象に残っています。

▼その公演の感想はこちら。

大阪音楽大学 ベルリーニ「カプレーティとモンテッキ」ザ・カレッジ・オペラハウス【オペラの感想】ベッリーニの歌劇「カプレーティとモンテッキ」大阪音楽大学 第55回オペラ公演(2019年11月 ザ・カレッジ・オペラハウス)

今回、林さんが演じたのは、リゴレットの娘ジルダ。女好きの公爵に弄ばれながらも、その男のために命を投げ出す悲劇のヒロインです。

林さんの初々しい表情は、16歳の少女そのものでした。初恋の喜びや苦悩が、ひたむきな姿から伝わってきました。

歌は、最初は少し固い感じもありましたが、尻上がりにどんどんよくなっていきました。

開き始めたつぼみのような、若々しい声。これからじっくりと成熟して、大きな花を咲かせることでしょう。

それにしても、本当に美しい女性です。

スラッとした長身、まっすぐな黒髪、小さな顔に潤んだ瞳… この美しさが舞台でより輝くよう、ますます演唱に磨きをかけていってもらいたいです。

迫力満点!リゴレットを熱演した田中由也さん

バリトン田中由也

リゴレットを演じた田中由也(よしなり)さんも、本当に素晴らしかったです。

もう還暦を過ぎた年齢だそうですが、迫力満点の歌唱。深くて渋い声で、いぶし銀の魅力がありました。

大阪音楽大学および大学院を修了。朝比奈隆指揮の「ドン・カルロ」で主役に抜擢されてデビュー。以来、関西を中心に活動し、後進の指導にも熱心に取り組んでこられたようです。

東京にいると、関西の音楽事情はあまり分かりません。恥ずかしながら、こんな素晴らしい歌手がいることを、僕は知りませんでした。

リゴレットも素晴らしかったですが、「トスカ」のスカルピアや「椿姫」のジェルモン、「ファルスタッフ」のタイトルロールなども、観てみたいと思いました。

伸びやかな声のマントヴァ公爵、中川正崇さん

テノール中川正崇

(フェリーチェ音楽院 公式サイトから引用)

マントヴァ公爵を歌った中川正崇(まさたか)さんを知ることができたのも、大きな収穫でした。

有名なアリア「女心の歌」など、実に輝かしい声。がっしりとした体格と少年のような瞳も魅力的でした。

大阪音楽大学および大学院を修了。新国立劇場の第8期研修生として3年間学んだ後、文化庁の在外研修員としてイタリア・フィレンツェに留学しています。

現在40歳。関西を中心に活躍の場を広げているようです。

質の高い「音楽生涯学習の場」

これだけ質の高い講座を、当日券1300円で受けられるというのは、驚きでした。

大阪音楽大学が「音楽生涯学習の場」として、こうした活動を継続してきたことに、心から敬意を抱きます。

高齢の方だけでなく、若い聴講生も増えるといいですね。

あとがき

知っているつもりのオペラでも、専門家に解説してもらいながら選りすぐりのシーンを聴くと、より理解が深まります。

これからも、通ってみようと思います。

2020年度は、ザ・カレッジ・オペラハウスの改修工事に伴い、「オペラ物知り講座」の開催場所も小さめの場所になるそうです。

その分、より近い距離で歌手の演技を観られそうで、楽しみです。

▼林佑子さんが出演したベッリーニの歌劇「カプレーティとモンテッキ」の感想はこちら。

大阪音楽大学 ベルリーニ「カプレーティとモンテッキ」ザ・カレッジ・オペラハウス【オペラの感想】ベッリーニの歌劇「カプレーティとモンテッキ」大阪音楽大学 第55回オペラ公演(2019年11月 ザ・カレッジ・オペラハウス)

▼中村敬一さんが演出したヨハン・シュトラウスの喜歌劇「こうもり」の感想はこちら。

IMG_202びわ湖ホール 喜歌劇「こうもり」チラシ【オペラの感想】ヨハン・シュトラウス作曲 喜歌劇「こうもり」(2020年1月 びわ湖ホール)

▼ヴェルディ・バリトンの頂点とも言われるレオ・ヌッチ主演の「リゴレット」DVD。

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