こんにちは。えいぷりおです。
女性は、妊娠・出産という大仕事の後も苦労が絶えません。
その一つが「乳腺炎」です。乳腺炎とは強い痛みを伴うおっぱいの炎症です。
この記事は、「産後クライシス」をテーマに書いた連載のひとつです。
今回は、直接的には産後クライシスと関係ありませんが、番外編として「乳腺炎で苦しむ妻を助けてあげられなかった体験談」を語ります。
【産後クライシス】
乳腺炎とは
出産後、乳腺炎になると乳腺がつまって炎症が起こり、激しい痛みや発熱などの症状が現れます。代表的な症状をまとめます。
【乳腺炎の症状】
- おっぱいが熱を持つ
- おっぱいにしこりができる
- おっぱいが赤みを帯びる
- おっぱいを押すと痛む
- 熱、寒気、頭痛、関節痛
- 腕を上げたりすると胸のあたりが痛む
- 黄色っぽい母乳が出る
授乳中の女性の20~30%が乳腺炎にかかると言われています。
乳腺炎の原因
乳腺炎の原因には、次のようなことが考えられます。
【乳腺炎の原因】
- 脂肪分が多く、高カロリーな食事
- きついブラジャーや姿勢による胸部圧迫
- 赤ちゃんの母乳の飲み方が偏っている
- 母乳の飲み残しがある
乳腺炎の痛みは非常に強い
乳腺炎による痛みは非常に強いです。有名なタレントさんもブログなどで経験談を語っていますので、いくつか引用します。
タレント東尾理子さん
「胸が痛いのはもちろん、悪寒は走るし、ガタガタ震えるし、足先がむっちゃ寒いし、けど胴体は燃えるように熱いし・・・熱測ったら40度超えてて」
タレントSHEILAさん
「痛い~ とっても痛いの、左のお胸が…。右も痛いけど、左が特に痛い。なんでだろう。。。って言うか、おっぱいあげられないくらい痛いんだよ」
タレント根本美緒さん
「ヤバイです。ついにこの時が…おっぱいが…詰まりそう( ̄□ ̄;)!! ふと気づいた時ガチッと岩化してました…」
【関連記事】 乳腺炎の12の治療方法
【乳腺炎の治療方法】民間療法・漢方薬・搾乳機・助産院など、夫婦でできる12のケア僕の妻は重症の乳腺炎だった
僕の妻も、あまりの痛みに涙を流して苦しんでいました。おっぱいが岩のように固くなり、熱を持って、わずかに触れただけでも激痛が走るという状態でした。
なぜ、これほど重症の乳腺炎になってしまったか。ひとつの原因が考えられました。
それは「無痛分娩」を選択したことでした。
もちろん、無痛分娩そのものが直接的に乳腺炎を引き起こすわけではありません。
僕の妻は、無痛分娩のための硬膜外麻酔が失敗し、髄膜に穴が開いて「脳脊髄液減少症」という深刻な状態に陥りました。
脊髄から脳を包み込んでいる髄液が漏れ出して減少するため、金属バットで殴られたような激しい頭痛に悩まされました。
この医療事故の詳細は、無痛分娩の体験談の記事をお読みください。
この副作用を抑えるために、点滴と大量の水の摂取を行うのですが、それが重症の乳腺炎を引き起こしたのです。
がんばって赤ちゃんを生んだ妻。本当は授乳を楽しみたかったのに、ベッドから出られず、痛みに耐えかねて泣いて過ごすことになってしまいました。
僕の失敗(1)助産師さんを探してあげなかった
これほどまでに苦しんでいた妻に対して、僕は適切なサポートが何もできませんでした。
妻は乳腺炎のケアをしてくれる助産師さんを探してほしいと、僕に何度も頼みました。事前に調べていた助産院のリストまで渡して。
それなのに僕は事の深刻さを理解できず、きちんと調べようとしなかったのです。妻の絶望は大きかったと思います。
その後、いい助産師さんと出会うことができましたが、一番助けてほしかった時期に何もしなかった僕を、妻は憎むようになっていきました。
僕の失敗(2)食事への気遣いもできなかった
乳腺炎のケアで大事なのは、食事の管理です。
母乳は食べたからそのまま作られると言っても過言ではなく、脂っこいものを食べれば脂っこい母乳が出ます。
乳腺炎は、乳腺が詰まって炎症を起こしているので、脂っこい食事は絶対に避けなければなりません。
にもかかわらず、僕は食事の管理をきちんとしてあげられませんでした。育休を取得していたに、料理ひとつまともにできなかったのです。
それどころか、妻が喜ぶだろうと、おやつにラスクを買ってくる始末。
ラスクは、パンを油で揚げて砂糖をまぶしたものですから、まさに高カロリー、高脂肪な食べ物。そんなものを買ってくるなんて、僕は本当に何も考えていませんでした。
妻の失望は大きかったでしょう。こういう一大事だけでも、本気で助けてくれる夫であってほしかったはずです。
乳腺炎が産後クライシスの原因に
妻が苦しんでいる時にどういう行動を取れるかが、その後の夫婦の信頼関係を決めます。
僕は、乳腺炎に苦しむ妻を助けられませんでした。
その時の妻の失望が、産後クライシスの大きな原因のひとつになったのは間違いありません。
逆に言うと、出産後の様々なトラブルに、夫がきちんと向き合うことができたならば、夫婦の絆はより深まるはずです。
夫は「10のケアをして、ひとつ効果があればOK」くらいの心づもりで、できることは何でもやってあげてください。
えいぷりお的まとめ
乳腺炎は20~30%の女性が罹ると言われます。出産後に想定されるトラブルとして心に留めておいた方がいいでしょう。
民間療法も含めた適切なケアしてあげられれば、妻は安心して授乳ができるようになり、精神的にも安定します。
産後クライシスにならないために、乳腺炎を乗り越えてください。
【産後クライシス】