「解離性障害」の原因・病理・治療法 ー誰もがなる可能性がある心の病ー | げんきリズム
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「解離性障害」の原因・病理・治療法 ー誰もがなる可能性がある心の病ー

こんにちは ! 人の心って難しいなぁと感じている、えいぷりおです。

僕は成長過程で、自分の心にちょっとした「解離」が起こったのではないかと思っています。自分の本当の心が身体から切り離されているような気がするのです。

普段の仕事や生活に支障が出るレベルではありませんが、僕の場合は、夫婦関係の中で問題が起こりました。

今回は、人の心に起こる「解離」について、治療が必要な「解離性障害」を中心に、誰にでも起こり得る「表面化しにくい解離」も含めてご紹介します。

「解離」とは何か

まず最初に「解離」とは何かを考えましょう。ウィキペディアでは、次のように定義づけられています。

解離とは、無意識的防衛機制の一つであり、ある一連の心理的もしくは行動的過程を、個人のそれ以外の精神活動から隔離してしまう事である。

抽象的に表現するならば、感覚、知覚、記憶、思考、意図といった個々の体験の要素が「私の体験」「私の人生」として通常は統合されているはずのもののほつれ、統合性の喪失ということになる。

その中には誰にでも普通にある正常な範囲のものから、障害として扱われる段階までを含んだ幅広い解釈がある(後略)。

(引用:ウィキペディア

少し難しい表現ですよね。

あえて簡単に表現すると、何かつらい出来事を体験したとき、そのつらさから自分を守るために、無意識に「この体験をしているのは自分ではない」と、感覚の一部を自分の意識から切り離してしまうこと、と言えます。

厚生労働省のサイトでは「自分が自分であるという感覚が失われている状態」と説明されています。

きっかけのインパクトが強く、解離の度合いが大きくなると、日常生活に支障をきたすような深刻な障害を引き起こします。これを「解離性障害」と呼び、治療が必要な状態と判断されます。

まずは、この「解離性障害」について見ていきましょう。

「解離性障害」の原因

解離性障害の原因は、ストレスや心的外傷といわれます。

心的外傷を引き起こす具体的な出来事としては、次のようなことが挙げられます。

  • 災害
  • 事件、事故
  • 暴力
  • 性的虐待
  • ネグレクト
  • 監禁状態
  • 戦争体験
  • いじめ
  • 家庭環境のストレス

このようなつらい体験は、心に深い傷を与えます。それを回避するために、無意識のうちに、心の一部が意識から切り離されると考えられています。

発症するのは女性が多いことが知られていて、性的な虐待を繰り返し受けたことが原因となったケースが多いと言われています。

「解離性障害」とは

解離性障害には、代表的なものとして、次のような症状が挙げられます(他にも様々な症例がありますが、ここでは割愛します)。

  • 解離性健忘
  • 離人症
  • 解離性とん走
  • トランス
  • 解離性同一性障害
  • 幻聴・幻視

ひとつずつ見ていきましょう。

解離性健忘

心的ストレスをきっかけに出来事の記憶をなくし、思い出すことができなくなります。ストレスに関連した記憶だけが選択的に失われることが多いのですが、まれに自分の名前や経歴などまで思い出せなくなるケースもあります。

離人症

自分自身を外から見ているように感じたり、自分の体験がまるで映画のように感じられたりするなど、現実感が失われます。うつ病や不安障害を併発することがあります。

解離性とん走

普通の生活から離れて失踪し、放浪します。その間は、自分の名前や経歴についての記憶を失っています。学校や職場で強いストレスにさらされ、それを誰にも打ち明けられない状態で突然発症すると考えられています。

トランス

意識が一時的に平常感覚を失い、視線がうつろとなったり、呼びかけても反応しなくなったり、椅子に座ったまま上半身を揺らし続けるような症状が起こります。催眠術や宗教儀礼で祈祷師が何かにとりつかれたような状態になるのも、一種のトランスと考えられています。

解離性同一性障害

多重人格障害とも呼ばれます。一人の人間の中に複数の人格が存在し、交互に現れるような状態になります。それぞれの人格は、名前や年齢、性格、趣味嗜好などの異なる、まったくの別人です。解離性障害の中でも、最も深刻な症状と考えられています。

幻聴・幻視

誰かの声が聞こえる、存在しないものが見える、などの症状が現れます。統合失調症の症状と似ているため、誤診されることがあります。統合失調症の幻聴では、声は外から聞こえ、意味は不明瞭なのに対して、解離性障害の幻聴では、声は内側から聞こえ、意味がはっきりしているなど、特徴に違いがあると考えられています。

解離性障害の治療法

解離性障害の治療法には、どのようなものがあるのでしょうか。順に見ていきましょう。

まずは安心できる環境を

解離性障害の主な原因は、心的なストレスです。まずは、そのストレスを軽減し、安心できる環境を整えることが治療の基本となります。

学校や家庭、職場などの環境が発症の原因となっていて、しかも強いストレス状態が続いている場合には、環境を変える必要があるでしょう。環境が変わらないのであれば、そこから離れることも含めて、安心できる場に身を置くことを最優先で考えます。

自然に解消されるのを見守る

解離性障害への理解の深い心療内科医やカウンセラーと、信頼関係を築くことも大切です。彼らのサポートを得ながら、焦らず、自分のペースでゆっくりと自然経過を見守るのがいいようです。

その際、あえて切り離された記憶を思い出させないことも大事だといいます。つらい体験を思い出すことによって、そのダメージに耐え切れず悪化することもあるからです。

薬物療法は補助的なもの

解離性障害に効果があると証明されている薬は、残念ながらありません。抗神病薬もあまり有効とはいえないようです。

うつ症状を併発している場合には抗うつ剤を、PTSDなど神経症状を併発している場合には精神安定薬などを処方することはあります。これらの力を借りて、併発している病気を治療することによって、解離性障害の症状も安定することがあります。

解離性同一性障害の治療方針

解離性同一性障害の治療は、かつては分裂したいくつかの人格を「統合」することが治療の最終目標とされていました

ところが、無理やり人格を統合させようとすると、患者本人の動揺を招き、かえって悪化させてしまうことがあります。

近年では複数の人格をひとつのシステムと捉え、システム全体が安定していればよいという考え方が主流となっています。それぞれの人格の役割を理解し、人格同士の関係をよくすることで、心全体を安定させていきます。

ただし解離性同一性障害は、解離性障害の中でも症状が重いため、治療には年単位の比較的長い期間が必要であるとされています。

子供の解離性障害の治療

子供にも解離性障害は発症します。特に発達障害の傾向を持つ子供は、性質上、解離性障害も発症しやすいと考えられています。

そんな子供たちには、遊戯療法(プレイセラピー)と呼ばれる治療法が有効といわれます。安全と自由が約束されている環境で、子供が主体となって遊びます。その遊びを通じて、子供が抱える苦しみを克服し、心の成長を促していきます。

また、子供本人だけではなく両親とも面談を行うことがあります。家庭環境も整えて、子供が安心して過ごせる場を作ることが求められます。

誰にでも起こりうる解離現象

解離には、生活に支障を来すレベルの解離性障害がある一方で、誰にでも起こりうる解離もあります。

一過性の解離現象

皆さんも、次に挙げるような体験があるのではないでしょうか?

  • 電車やバスに乗っている途中の出来事を、憶えていない時がある。
  • 人の話を聞いている時、その内容を聞き憶えていない時がある。
  • テレビや映画に没入してしまって、周囲の出来事に気づかなくなる。
  • 空想にのめりこみ過ぎて、現実に起きていることのように感じる。
  • ただジッと空を見つめていたら、何時間も経っていた。
  • 実行したのか、しようと考えただけなのかが思い出せない。

こういった一時的な解離現象は、誰もが日常的に体験していることです。この現象は一過性のもので、生活に支障をきたすことはありません。

生活に支障はないが深刻な解離も

ここからは僕の個人的な経験からの私見です。

表面上は生活に何の支障も与えていないような解離が、特定の場面や人間関係の中で、顕著に症状として現れることがあります。

僕の場合、心の底から何かを感じたり、人の心に共感したり、という感覚が、自分の意識から欠落しているような感覚があります。

生活に支障はなく、普段は自分でも気づかないのですが、夫婦関係の中で、そうした心の欠落が問題として表れました。こちら↓の記事もご覧ください。

僕の心は「解離」しているのか? 本来の自分の感性を取り戻す方法とは

こうした表面化しにくい解離は、治療の対象にはなりにくいかもしれません。ですが、パートナーや親子の間で顕著に表れるのは、人生に深刻な影響を与えます。

ですので、小さな解離に気づき、自分を適切にケアすることは、とても大切なことだと思います。その方法を僕は見つけたいし、皆さんとシェアしたいと思っています。

参考にした資料

「自分の人生を自分らしく生きる」ことをテーマにした様々な記事を書いています。こちら ↓ のボタンから、それらの記事を分かりやすく整理したまとめサイトに飛ぶことができます。僕の小さな経験が、あなたの役に立つことを願って…

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