こんにちは。えいぷりおです。
乳腺炎は、出産後の女性の20~30%がかかると言われ、強い痛みや発熱に悩まされます。
僕の妻も重症の乳腺炎で苦しみました。
この記事では、自分や夫にもできるケアを中心に、僕の経験も交えて、乳腺炎の治療方法をご紹介します。
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【妻が乳腺炎になったら】 激痛に苦しむ妻を、僕は助けてあげられなかった(体験談)乳腺炎の治療方法
乳腺炎の治療方法をリストアップします。
【乳腺炎の治療方法】
- 赤ちゃんに飲んでもらう
- 夫にも飲んでもらう
- 身体を締め付ける衣類を避ける
- 食事は和食中心に
- 湿布で冷やす
- じゃがいも湿布
- キャベツ湿布
- 葛根湯
- ごぼうの種(牛蒡子・ゴボウシ)
- 五苓散
- 搾乳
- 助産師さんのマッサージ
ひとつずつ見ていきましょう。
赤ちゃんに飲んでもらう
乳腺炎の一番の対処法は、赤ちゃんにいっぱい飲んでもらうことです。
乳腺炎になった母乳でも、赤ちゃんの身体に悪いということはなく、与えても問題はありません。ただ、乳腺炎の時はおっぱいはおいしくないことがあるようで、嫌がる子もいます。
ある程度、言葉が分かる月齢であれば、
「ママのおっぱい、ちょっとおいしくないけど、○○ちゃんが飲んでくれると痛いのがなくなるの。飲んでくれるかな?」
と言い聞かせるのも、効果的だそうです。
おっぱいの飲ませ方にもコツがあります。
片方のおっぱいに偏ったり、同じような抱き方で赤ちゃんに授乳していると、飲み残しができてしまいます。
乳腺は乳首を中心に放射状に広がっているため、片方だけや、同じ抱き方で授乳していると、一部の乳腺に母乳が残ったままになり、そこが詰まって乳腺炎になってしまいます。
ですので、オーソドックスな横抱きだけでなく、縦抱き(赤ちゃんと正面に向い合って授乳する)やフットボール抱き(ラグビーのボールを抱えるように)も意識して、授乳のたびに方向を変えると、すべての乳腺の通りがよくなります。
また、左右交互に与えるのも大切です。
夫にも飲んでもらう
どうしても赤ちゃんがうまく飲めないときには、夫が吸い取ってあげるのも有効です。ちょっとコツがいりますが、奥さんにしこりのある場所を聞いて、方向を変えながら吸ってあげると、効果的に詰まりが解消されます。
僕も何度かトライしましたが、どうも心理的な抵抗があって気が進みませんでした。今思えば、そんな僕の都合は関係なく、妻のためにしっかりやってあげるべきだったと後悔しています。
身体を締め付ける衣類を避ける
母乳はママの血液から出来ているので、血液の流れが悪いと詰まりやすくなります。ワイヤー入りのブラジャーや、締めつけ感のあるブラジャーは、血液の流れを悪くするので、楽な服装にかえるようにしてください。
食事は和食中心に
授乳中はお腹が空きやすく、疲れがたまるので、高カロリーなものや脂肪分の多いものを食べたくなりがちです。
しかし、母乳はママの血液でできているので、脂肪分の多い食べ物を必要以上に摂取すると、母乳がドロドロになり、乳腺がつまる原因になってしまいます。摂取カロリーは減らさずに、脂肪分を減らし、バランスのとれた食事を摂れるよう心がけましょう。和食が最適ですね。
また、温かい飲み物は炎症を悪化させる可能性があるので、避けた方がいいかもしれません。
いったん症状が収まったからと言って、いきなり普通の食事に戻すのは危険です。授乳期間中は、赤ちゃんのためにも和食系のバランスのとれた食事を心がけてください。
こういうときこそ、旦那さんも積極的に料理を学んで、健康的な食事を奥さんのために作ってあげてください。喜ばれると思いますよ。
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乳腺炎のとき、おっぱいを温めると炎症を悪化させてしまうので、避けた方がいいと思われます(温めた方がいいという説もあるようですが、冷やす方が理にかなっています)。
お風呂も控えめにして、シャワーですませた方が無難です。
かと言って、熱を持ったおっぱいを氷などで一気に冷やすのはかえって危険です。詰まった乳腺が固まってしまうからです。
「冷えピタ」などの冷却シップはほどよい冷たさなので有効活用してください。
じゃがいも湿布
オススメなのは、じゃがいもで作った湿布です。赤ちゃんの口に入っても安全で、安い材料で作ることができ、効果が高いです。
まず材料です。
【じゃがいも湿布の材料】
- じゃがいも 1個
- 小麦粉(薄力粉)大さじ4~5杯程度
- お酢 2~3滴
- キッチンペーパー
続いて、作り方です。
【じゃがいも湿布の作り方】
- じゃがいもの皮をむき、芽をかき取る
- おろし金ですり下ろす
- 小麦粉を混ぜ、お酢をたらす(A)
- Aを半分に折ったキッチンペーパーに、大さじ2杯分くらい乗せる
- そのまま半面(つまり1/4面)にバターナイフなどで塗り伸ばす
- 塗っていない残り半面を重ねる
こうして作った湿布を患部に当てて、医療用のテープで固定します。4~6時間が交換のメドですが、パリパリに乾燥したら交換します。
症状の程度にもよりますが、2~3日は続けます。1日分をまとめて作っておき、ビニール袋などに密封して冷蔵庫に入れておけば丸1日は品質保持できます。
Aを緩く作ると、体熱でダレてきて服が汚れますし、反対に硬く作ると伸ばしにくいので、小麦粉の量を加減してください。お酢はたくさん入れるとにおいがキツいので、ほんの少量にした方がいいでしょう。
キャベツ湿布
もうひとつ簡単にできる自然素材の湿布が、キャベツの葉の湿布です。
これは、キャベツの葉を洗って、そのまま患部に貼るだけという簡単さです。ずれないようにスポーツブラなどで固定します。葉がしなしなになったら交換します。
キャベツには消炎効果があり、気持ちよく患部を冷やすことができます。
【参考図書】 『最強母乳外来』いう書籍が、とても役立ちます。出産に備えて買っておくことをオススメします。
葛根湯
乳腺炎になりそうな初期段階には葛根湯が効果的です。ドリンクタイプのものもあり、飲みやすいと思います。
ごぼうの種(牛蒡子・ゴボウシ)
ごぼうの種(牛蒡子・ゴボウシ)を煎じたものが、血行を促進して、しこりを和らげる効果があると言われています。
五苓散
僕の妻に効果があったのは、五苓散(ゴレイサン)という漢方でした。
体内の水分調整をする作用をもつお薬で、乳腺にたまってしまった水分を排出させる作用があります。
五苓散を扱っているドラッグストアはあまり多くありません。ネットで注文するのが早いと思います。
搾乳
軽いしこり・詰まりの場合は、自分で搾乳して詰まりを取り除くことも出来ます。しこりの部分を軽く押して、たまった母乳を押し出すのです。僕の妻も、痛みをこらえながら自分で搾乳していました。
搾乳を補助するグッズとして、メデラという海外メーカーの搾乳機を使っていました。こちら ↓ は手動式のもので、ポンプを手で押すことでカップ内が減圧される仕組みです。
症状が軽ければ、手動でも十分助けになります。
ところが僕の妻は症状が重かったため、ポンプを押すのに疲れ切ってしまいました。
そこで電動のもの ↓ も使ってみました。
これは楽に搾乳できて役に立ちました。
ですが今思うと、こんな機械まで使わせて、妻には本当にかわいそうなことをしました。
次の項目に挙げる「助産師さんのマッサージ」を、もっと早い段階で受けさせてあげるべきでした。
助産師さんのマッサージ
僕の妻は自分でも搾乳を頑張りましたが、結局のところ、おっぱいケアの経験豊富な助産師さんの助けが本当に大きかったです。
助産院を探す際にとても参考になったのは、山西みな子先生という助産師さんが記した「母乳で育てるコツ」という本でした。
山西先生の弟子にあたる助産師さんが全国各地におられることが巻末に記されていて、その中から家に近い助産院に連絡をとりました。そうして出会った助産師さんが、親身になって妻を助けてくれました。
助産院には、他にも「桶谷式」という手法をもつネットワークがあります(先ほどご紹介した山西先生は桶谷式ではない)。調べてみて、ご自分たちにあったところを見つけてください。
助産院は、こちらのサイトからも探すことができます。
参考 全国助産所一覧日本助産師会えいぷりお的まとめ
僕は、世の中の男性にこそ、乳腺炎について知っておいてほしいと思っています。
妻が乳腺炎で苦しんでいるときに、夫が適切なサポートをできるかどうかが、その後の夫婦関係を左右すると言っても過言ではありません。
僕の場合は、この時の失敗が産後クライシスの原因となり、家庭内別居に至ってしまいました。
この記事があなたの役に立つとうれしいです。