【ヘルパンギーナ】子供の夏風邪、症状と治療法

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夏に子供がよくかかる「三大夏風邪」といえば、手足口病と咽頭結膜熱(プール熱)、そしてヘルパンギーナです。39℃を超える急な発熱と、喉の奥にできる水疱が特徴。大人にも感染し、症状が重くなることもあるので、早期治療が重要になります。

ヘルパンギーナとは

発熱

急な発熱と喉の奥の水疱が特徴の夏風邪ヘルパンギーナ。小さな子供は幼稚園や保育園で必ずと言っていいほど感染してしまう病気です。まれに重症化することもありますし、大人も感染する可能性がありますので、基本的な知識を押さえておきたいところです。
(子供のかかる病気は、こちらにまとめています)

なぜ夏に感染症が流行るのか

夏バテ

「夏風邪」という言葉があるように、そもそもなぜ夏に感染症が流行るのかというと、暑さのために体力が消耗して抵抗力が落ちているからです。抵抗力が落ちると、細菌やウイルスに感染しやすくなります。根本的な予防策として、夏バテにならないよう夏の過ごし方を工夫し、体力を落とさないことがポイントとなります。

ヘルパンギーナの原因「エンテロウイルス」

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ヘルパンギーナの主な病原はエンテロウイルス属です。エンテロウイルスの「エンテロ」とは「腸管」を意味し、その名の通り腸管内などで増殖します。

この中でも主に「コクサッキーA型ウイルス」がヘルパンギーナの原因となります。同じ血清型のウイルスに対しては終生免疫(一生その病気には罹らない)となりますが、ヘルパンギーナを引き起こすウイルスは複数存在するため、再罹患することがあります。

へルパンギーナの症状

最初の特徴は、39~40℃の高熱が出ることです。40℃近い高熱が突然出ると、倦怠感や関節の痛みを伴う事があります。まれに熱性麻痺を起こすこともあるので、経過を注意深く見守る必要があります。多くの場合は2~4日で熱は下がります。それ以上、熱が続くような場合は、再度診察を受けた方がいいでしょう。

見た目で特徴的なのが、上あごの粘膜や喉の奥にできる水疱です。水疱は直径1~2ミリ、場合によっては5ミリに達します。

その水疱が破れて潰瘍(粘膜がはがれて、下の組織が露出した状態)になってしまうと、痛みのために、つばを飲み込むことが困難になります。そのため、つばが多くなったり嘔吐しやすくなったりすることがあります。小さな子供の場合、喉が痛くてつばが飲み込めなくなり、よだれを垂らしたり、指を口の中に入れたりという行動が起こります。飲んだり食べたりができなくなると脱水症状に至る危険もあるので、早めに病院で診察を受けることをオススメします。

ヘルパンギーナ

軽症ですむ場合が多いのですが、こじらせると髄膜炎などの合併症を起こす危険性があるので、注意が必要です。

喉の痛みに関する一般的な情報は、次の記事にまとめてあります。
【喉の痛み】すぐにできる喉風邪の治療法まとめ

【喉の痛みに効く食べ物・飲み物】すぐに試せるレシピや商品まとめ

主に赤ちゃん・子供がかかる

ヘルパンギーナにかかる患者の割合は、次のように報告されています。

・0歳児・・・44%
・1~4歳・・・15%
・5~9歳・・・11%
・10~19歳・・・11%
・20歳以上・・・17%

4歳以下が全体の60%近くを占め、特に0歳の赤ちゃんの罹患率が圧倒的なのが特徴となっています。しかし、5~19歳も20%以上を占めていて、決して乳幼児だけの病気ではないことが分かります。

そして、20歳以上の大人も17%を占めています。幼稚園や保育園で子供が感染し、それが親にうつるケースが多いためと考えられます。大人が感染すると、乳幼児よりも重症化することがありますので、大人も十分に注意する必要があります。

6月下旬~8月中に流行する

ヘルパンギーナを引き起こすウイルスはエンテロウイルスと呼ばれる分類に属しています。このウイルス属は、暑いときに発生しやすくなる特徴があります。そのため、熱帯の地域では一年を通じて流行が見られ、日本のような温帯の地域では夏から秋にかけて流行が見られます。

日本では毎年5月ごろから流行が始まり、7月にピークをむかえ、8月ごろから減少をはじめて9~10月には流行が終わるというパターンとなります。

治癒後も感染する可能性がある

ヘルパンギーナにかかった場合、症状が治まった後も、くしゃみなどによる飛沫感染では1週間弱、手を介した接触感染では数週間にわたって他の人に感染させてしまう可能性があります。排便からも2~3週間はウイルスが検出されます。

治癒後も人に感染させないために、手洗いやうがいを徹底しましょう。また、タオルなどは他人と同じものを使わない様にするなど、しばらくの間は注意した方が無難です。

へルパンギーナの治療法

残念ながら、ヘルパンギーナには特効薬がありません。確立された治療法もなく、基本的には症状を抑える対症療法を行うことになります。

脱水症状のケア

ヘルパンギーナで気をつけたいのは脱水症状です。喉の奥にできた水疱が破れて潰瘍になると、痛みのために食べたり飲んだりすることができなくなります。赤ちゃんはおっぱいを飲まなくなることもあります。こうした時には、脱水症状の陥らないように、イオン飲料などで水分を取らせ、部屋を涼しくしてゆっくり休めるようにしましょう。

もし、どうしても水分が取れないときは早めに病院にかかってください。脱水症状があれば点滴してもらいましょう。

水疱にしみない食べ物を

ヘルパンギーナで喉の奥にできた水疱・潰瘍は、食べたり飲んだりの刺激によって、強い痛みをもたらします。ですので、冷たい、熱い、辛い、大きいといった食べ物は避けて、人肌に冷ましたスープや、とろみのあるシチュー、スムージー、おかゆ、うどん、プリンやゼリーなど、のどごしが良く、硬さのない物を少しずつ食べさせるようにして下さい。

予防法

基本的な感染症の予防法として、次のような対策を実践してください。

・こまめに手洗いをする
・帰宅時や食事の前に必ずうがいと手洗いをする
・タオル等を共用しない
・咳やくしゃみの際にティッシュなどで鼻や口を押さえる
・咳が続くときにはマスクをする
・おむつ交換に細心の注意を払う

とはいうものの、小さな子供には難しこともありますよね。幼稚園や保育園での集団感染を防ぐのは困難かもしれません。

ですが、子供に正しい手洗いやうがいを教えるのは大切なことです。教えてあげると、小さな子供でも意外に大人より熱心にやるようになったりします。そのような意識が育つことが、ヘルパンギーナをはじめとする感染症の流行を防ぐ一歩となります。

また、免疫力を高めるための小さな積み重ねも大切です。次の記事を参考になさってください。
【免疫力を高める食材】風邪に打ち勝つ食べ物13選

【免疫力を高める方法】今日からできる8つの生活習慣

へルパンギーナにかかった場合の登園・登校

幼稚園や学校の場合、文部科学省の管轄になります。文部科学省のホームページには、「学校において予防すべき感染症」の解説があり、それによるとヘルパンギーナは「本人の全身症状が安定している場合は登校(園)可能」とされています。

保育園は厚生労働省の管轄となります。「保育所における感染症対策ガイドライン」によると、登園の目安は「発熱が無く(解熱後1日以上経過し)、口腔内の水泡、潰瘍の影響もなく、普段の食事がとれること」とされています。

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間違いやすい3つの病気

手足口病

手足口病とヘルパンギーナは、どちらも夏に流行し、水疱ができるという特徴が一致しています。ですが、水疱の位置と発熱に明確な違いあるので、見分けることは可能です。

手足口病
・熱・・・発熱しないことが多く、発熱しても37~38度ぐらい
・水疱・・・口の中だけでなく手や足に広がっていく

ヘルパンギーナ
・熱・・・39~40度の高熱が突然出る
・水疱・・・喉の奥にでき、他の場所にはできない

手足口病は全身に水疱ができて見た目は大変ですが、子供は比較的元気な場合が多いです。逆にヘルパンギーナは水疱は喉にしかできず、外見上は決して派手ではないのですが、高熱が出るため、症状は手足口病よりもつらい場合が多くなります。

 

溶連菌感染症

溶連菌感染症の場合も38~39度の発熱とのどの痛みや全身の倦怠感などの症状から始まり、その後かゆみを伴う赤く細かい発疹や、舌に赤いぶつぶつができるイチゴ舌などの症状が現れます。流行の時期は「春から夏にかけて」と「冬」の2回あります。

症状は似ていますが、原因がウイルスなのか細菌なのかの違いがあるため、治療法はまったく異なります。ヘルパンギーナには特効薬がないのに対して、溶連菌にはペニシリン系の抗生物質が効きます。この薬を飲めば解熱して24時間後には感染力はほとんどなくなります(細菌を完全に死滅させるために医師の指示に従って、その後数日間は薬を飲み続ける必要がある)。

咽頭結膜炎(プール熱)

咽頭結膜炎(プール熱)は、子供がかかりやすい三大夏風邪のひとつです。アデノウイルスによる感染症で、4~5日間は熱が39~40度の高熱と37~38度前後の微熱の間をあがったり下がったりします。扁桃腺が腫れて喉の痛みを伴います。また、頭痛や腹痛・下痢などの症状が現れ、耳介前部や頸部のリンパ節が腫れるほか、結膜炎の症状も見られる事があります。

特効薬がない点はヘルパンギーナと同じですが、細かい症状に違いがあるので、早めに医師にかかって、それぞれの病気に合った適切なケアができるよう、指示を受けるようにしてください。

髄膜炎、心筋炎などの合併症に注意

エンテロウイルスは多彩な病状を示す疾患で、ヘルパンギーナの場合、まれにウイルス性髄膜炎、急性心筋炎などを合併することがあります。

ウイルス性髄膜炎の場合には、発熱、頭痛、嘔吐などの症状が続きますので、このような症状が現れたら受診して医師の指示をあおぐようにしてください。ウイルス性髄膜炎に特徴的な「項部硬直(こうぶこうちょく)」は見られないことも多く、素人には見分けることが難しいとされています。項部硬直とは首の後ろの筋肉が固くなり、首を前方に曲げられなくなる症状です。

急性心筋炎に関しては、心不全の徴候が現れると危険なので、医師の指示をあおいで、十分注意する必要があります。

大人は重症化しやすい

最初にご紹介したように、ヘルパンギーナは決して乳幼児だけの病気ではなく、20歳以上の大人は患者全体の17%も占めています。

ヘルパンギーナの原因となるエンテロウイルスは、感染しても症状が出ない場合が多いですが、疲れていたりストレスが多かったりして免疫力が下がっていると、大人でも症状が出ることがあります。

大人がヘルパンギーナにかかった場合、子供よりも症状が重く、長く続く傾向があります。喉の奥にできる水疱や潰瘍も、子供よりも悪化する場合があります。

妊婦は感染しないように

さらに注意が必要なのは、妊娠中の感染です。出産直前の妊婦がヘルパンギーナに罹った場合、お腹の中の子供に感染してしまう場合があります。ほとんどが軽症ですみますが、重症になると死亡してしまうケースもあるため、特に夏場に出産を迎える妊婦の方は、万全の予防するようにしてください。

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