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【テレビの感想】NHK『東京リボーン第1集ベイエリア』巨大建築に挑む技術者たちの生き様に思う

2018年12月26日に放送されたNHKスペシャル『東京リボーン 第1集 ベイエリア 未来都市への挑戦』を見ました。

いやー!血が騒ぎました。

東京オリンピックに向けて東京のベイエリアで建設が進む巨大建築。その現場で奮闘する技術者たちの姿を伝えるドキュメンタリーでした。

ものづくりって、やっぱり面白い!

何かを生み出すって、素晴らしい!

僕も何かを作り出す仕事がしたい!

そう思わせてくれる番組でした。

今回の記事では、この番組を通じて僕が感じたものづくりの価値について語ります。

アクアティクスセンターの現場

▼最初の話題は、2020年の東京オリンピックで水泳会場となるアクアティクスセンター

▼7000トンもの巨大屋根を一気に釣り上げる世界に類を見ない工事が行われました。

▼現場監督を務める大林組の若きエースが、このシーンの主人公。

ラグビー場3面分にも相当するという超巨大な屋根を釣り上げて固定する工事が、いかに大変なことなのか。

NHKのカメラは現場に密着して、その瞬間を克明に捉えていました。

ミリ単位の精度を求められる難工事は、それぞれの持ち場を守る技術者たちの連携によって成り立っていました。

予想を超えたトラブルに柔軟に対応し、瞬時に決断を下していく。その職人魂に胸が熱くなりました。

番組で名前を紹介されたのは現場監督ひとりだけでしたが、誇り高き無数の技術者たちが現場を支えていることが、よく分かりました。

日本の技術者はすごい!心から誇らしい気持ちになりました。

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有明アリーナの現場

▼もうひとつのシーンは、バレーボールの会場となる有明アリーナ

▼高層ビル4棟分もの巨大鉄骨をレールに乗せ大移動させるという世界初の難工事とのこと。

(ふたつのシーンがどちらも屋根というのは、さすがにネタがかぶり過ぎで、ディレクターは頭を悩ませただろうと勝手に想像しました…)

▼このシーンの主人公は、数々の難工事を成功させてきた竹中工務店のベテラン技術者。

工期を短縮するために、建物のボディと屋根を同時に作り、後から屋根をスライドさせるように上に乗せる。しかも、敷地に余裕がないため、屋根を9分割して順に乗せていくトラベリング工法という手法がとられました。

世界でも類を見ない工事に、竹中工務店のチームが叡智を結集して臨みます。

ここでも、現場で直面するトラブルに、ひとつひとつ立ち向かって解決していく技術者たちの姿に胸を打たれました。

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東京都知事 小池百合子氏の重罪

そもそも、なぜアクアティクスセンターでは屋根を釣り上げるという特殊な工法をとる必要があったのか。

それは小池百合子氏が都知事に就任したことで、予算が大幅に削られたことが原因でした。

アクアティクスセンターの当初予算は683億円。それが567億円に削減されたのです。17%もの減額は現場を震撼させたことでしょう。

有明アリーナでトラベリング工法をとることになった原因も、都によって設計の見直しを迫られ、工期が2ヶ月遅れたことにありました。

一方で小池都知事は、築地市場の豊洲移転を議会の承認も得ないまま独断で2年間も遅らせるという暴挙を犯し、その経済的損失は数百億とも言われています。

築地市場の解体が遅れたことで環状2号線は東京オリンピックまでに開通せず、駐車場を確保する目処も立っていません。

その経済的・時間的な損失がなければ、アクアティクスセンターにも有明アリーナにも十分な予算を振り向けられたかもしれません。

技術者たちは予算削減や工期短縮という逆境に負けず、きっと素晴らしいものを作り上げるでしょう。

でも小池都知事には「やればできるじゃない」などとは死んでも言ってほしくない。ものづくりに命をかける職人への思いやりなど、小池氏にはかけらもないと思わざるを得ません。

小池都知事が就任以来やってきたことは、万死に値するくらいの重罪なのです。

【関連記事】 小池都知事の数々の暴挙については、ジャーナリストの有本香さんが詳細な取材で明らかにしています。必読です。

番組にかける制作者たちの熱意

今回のNHKスペシャルは、冒頭から度肝を抜かれました。

近未来TOKYOを疾走する映像は、かつて世界を熱狂させた『AKIRA』の著者、大友克洋さんが監修

現実の映像と近未来のCGが見事に融合し、まさに『AKIRA』の世界観を映し出していました。

エンドクレジットに表示された「映像デザイン 森内大輔」という名前にも見覚えが。

彼は2012年9月に東京駅を舞台に行われた『TOKYO STATION VISION』の総合デザイナー。日本におけるプロジェクションマッピングの先駆けとして大きな話題となりました。

そういう人物がスタッフに名を連らね、叡智とセンスを結集して作られた番組。

これもまさに「ものづくり」。

映像メディアに関わる仕事をしている僕は、大きな憧れと、そして嫉妬にも似た感情を抱きながら、この作品を見ていました。

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大友克洋著『AKIRA』の世界

大友克洋さんのAKIRAという作品の存在はもちろん知っていましたが、読んだことはありませんでした。

今回のNHKスペシャルを見て、この作品が2019年を舞台としていたこと、そしてなんと2020年の東京オリンピックを予言していたことを知りました。

35年前の作品ですが(第1巻は1984年発行)、改めて読んでみたいと思いました。

自分のためのメモとして、以下にリンクをはっておきます。

えいぷりお的まとめ

ものづくりは、作る現場があって初めて継承・発展していくことができます。

そういう意味で、東京オリンピックは得難いチャンスです。

アクアティクスセンターや有明アリーナという巨大プロジェクトは、日本の建築技術を大きく飛躍させることになるでしょう。

一方で「失われた20年」と言われる時代から抜けきれずにいる僕たち日本人は、すっかりデフレ・マインドに侵され、大きなお金のかかるプロジェクトを「悪」と見なすようになってしまいました。

ポピュリズムの権化のような小池都知事が「1兆、2兆、3兆と予算が膨れ上がっている。お豆腐屋さんじゃないんですから!」などと緊縮財政を謳い、それを賛美するようでは日本に未来はありません。

日本はものづくりの国です。優れた技術者や職人が、ものづくりに大いに腕を振るえるような世の中であってほしい。

そして僕も何かを生み出せる人間でありたい。

今回のNHKスペシャルを見て、そんなふうに思いました。

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