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【映画の感想】佐藤健主演『世界から猫が消えたなら』失って気づいた本当に大切なものとはー

世界から猫が消えたなら キャプチャ素材

こんにちは。えいぷりおです。

Amazonプライムビデオで佐藤健主演の映画世界から猫が消えたならを見ました。

素晴らしい作品でした。

一人の青年が余命を宣告され、自分が存在する意味を問い直す。突然現れた「悪魔」と約束を交わし、寿命と引き換えに大切なものを消し去ってゆく。その過程で世界はかけがえのないもので出来ていることに気付いてゆく… そんな内容です。

ファンタジーのようでありながら、観る者に生きる意味を問いかけるリアルな物語でもあります。

もしあなたが、

自分は生きている意味があるのだろうか…

と虚無感に襲われることがあるのなら、ぜひ見てほしい作品です。

映画『世界から猫が消えたなら』とは

映画『世界から猫が消えたなら』

 

原作:川村元気

脚本:岡田惠和

監督:永井聡

公開:2016年

 

〔キャスト〕

  • 僕 /悪魔:佐藤健
  • 彼女:宮崎あおい
  • タツヤ:濱田岳
  • トムさん:奥野瑛太
  • 父:奥田瑛二
  • 母:原田美枝子

えいぷりお感激度 ★★★★★

▼予告編の動画はこちら。

作品のあらすじ

世界から猫が消えたなら キャプチャ2

この作品のあらすじを、公式サイトから引用します。

電話、映画、時計、そして、猫!?
大切なものを一つ消すこととひきかえに、
一日の命をもらえるとしたら?

主人公は30歳の郵便配達員。愛猫キャベツとふたりぐらし。母を病気で亡くしてから、実家の父とは疎遠になってしまいました。

恋人はいません。別れてしまった彼女のことを、まだ想い続けています。

趣味は映画鑑賞。友だちは映画マニアの親友が一人だけ。

そんな彼が、ある日突然、余命わずかの宣告を受けてしまいます。脳に悪性の腫瘍ができていたのです。

ショックで呆然とする彼の前に、とつぜん、自分と同じ姿をした悪魔が現れて言いました。

「世界から何かひとつ、ものを消すことで、1日の命をあげよう」…。

悪魔のささやきに乗せられた主人公は、次々とものを消していきます。電話、映画、時計、そして、猫。

ところが、何かを消すと、大切な人たちとの思い出も一緒に消えてしまうことになり…

これは余命わずかの彼に起こった、せつなくもやさしい「愛」の物語です。

生きる意味を見失った時に

世界から猫が消えたなら キャプチャ1

この映画の大きなテーマは生きることの意味です。

主人公は、地方の町で郵便配達員として暮らす30歳の青年。趣味は映画鑑賞くらいで、友人は映画マニアの仲間が一人だけ。

目立たず地味な人生を送ってきた彼が、突然末期の脳腫瘍を宣告されます。そして、こう自問自答します。

自分が死んで、誰か悲しんでくれるのだろうか…

自分がいなくなっても、もともと存在しなかったかのように、世界は変わることなく時を刻んでいくだけなのではないか…

そう考えたとき、彼の中に「悪魔」を名乗るもうひとりの自分が現れます。彼は悪魔と約束を交わし、1日の寿命と引き換えに、この世から何かひとつのものを消し去ることを選びます。

別れた恋人との絆であった電話
唯一の親友と語り合った映画
時計職人の父親を象徴する時計
そして、亡き母親が可愛がっていた

1日生き延びるごとに、彼にとって大切なものが世界から消え去っていくのです。

失って初めて、彼は世界はかけがえのないもので出来ていることに気付きます。

僕も生きる意味を見失っていた

主人公の心の動きを見つめていると、自分自身の人生と重ねずにはいられなくなります。

僕は40代になった今も、自分が生きる意味が分からなくなって、深い虚無感に襲われることがあります。

妻との関係は壊れてしまい、長女からは嫌われ、次女に会えなくなって3年が経ちます。僕が死んでも家族は何も感じないのではないか… そう思うと、足元が崩れていくような感覚に陥ります。

でもこの映画を観ていると、そんなボロボロの家族との関係でさえも、かけがえのない大切なものだと思えてきます。

妻とはいい夫婦になれなかったけれど、
僕の人生にとって大切な存在だったー

長女には嫌われてしまったけれど、
一緒に過ごした18年間は僕にとって宝物だったー

次女には幼くして会えなくなってしまったけれど、
離れたところから幸せを祈ることはできるー

彼らが大切な存在であることを忘れずに、静かに慎ましく生きていければいいのだと、この映画は教えてくれました。

時間というかけがえのないもの

時計

時計はこの映画の重要な要素になっています。

主人公の父親は時計職人。店にはいつも秒針の音が鳴っていました。時を刻む響きは様々で、少しずつテンポがずれていたりして、まるで人それぞれの人生を表しているようです。

不器用で口下手な父親は、妻が入院しても見舞いに行かず、時計の修理をしているような人でした。主人公の青年は、そんな父親を理解できず、母親が亡くなってからは疎遠になっていきました。

しかし彼は、生前の母から意外なエピソードを聞いていたのでした。彼が生まれた時、父は「ありがとう、生まれてきてくれて」とつぶやいたのだと。

そのことを思い出した彼は、父が撮影した自分と母のツーショット写真が、手ブレしていた理由を悟ったのでした。父はあの時、命を終えようとしている妻を思って涙をこらえていたのだと。

彼は、最期の手紙を父に宛てて書きます。その中身は明かされることなく映画は終わりますが、きっとすれ違った時間を取り戻すための感謝の気持ちが綴られていたのだと思います。

損得勘定ではない美しい生き方

この映画の登場人物たちには、損得勘定がありません。大切なもののために見返りを求めず、慎ましく生きる姿に胸を打たれます。

郵便配達員の主人公、時計職人の父、優しかった母、映画を語り合った親友、そして3年前に別れてしまった恋人…

みな自分が得をするために誰かを下にするような生き方をせず、身の回りの大切な人やものを、ただ大切にしながら生きているのです。

僕たち現代人は、すぐに損得勘定に走りがちです。お互いに優劣をつけ、殺伐とした世界を生きています。コロナ禍によって、その傾向はますます強まっているように感じます。

そんな今だからこそ、この映画を多くの人が観るといいなぁと思います。表面的な価値観ではなく、本当にかけがえのない大切なものとは何か、自らに問い直すきっかけを与えてくれる作品だからです。

あとがき

この作品の主なロケ地は北海道の函館だそうです。路面電車の走るレトロな町並み、美しい港、そんな美しい風景の中で紡ぎ出される物語です。

主人公の佐藤健をはじめ、元恋人の宮崎あおい、親友の濱田岳、父親の奥田瑛二、母親の原田美枝子… 素晴らしい俳優陣が静かに語りかけてきます。

僕の大好きな映画になりました。

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