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【溶連菌感染症】発熱と喉の腫れなどの症状・・・検査を受けて適切な治療を

子供がよく感染する病気のひとつに、溶連菌感染症があります。喉のはれ、発熱などつらい症状を起こしますが、検査によって正確な診断が可能で、特効薬もあります。

溶連菌感染症とは

溶連菌感染症とはどのような病気なのか。まずは、その原因となる溶連菌についてお伝えします。
(子供のかかる病気は、こちらにまとめています)

溶連菌とは

溶連菌とは正式には「溶血性レンサ球菌」といいます。上気道炎や皮膚の化膿など、様々な感染症の原因となる細菌です。顕微鏡で覗くと、菌体同士が一列に連なり、鎖のように見えることから「連鎖」球菌と呼ばれています。

溶連菌

溶連菌はA群、B群、C群、G群に分類されますが、A群レンサ球菌による感染が溶連菌感染症の90%以上を占めるため、溶連菌感染症は一般的にA群レンサ球菌による感染症のことを言います。

この溶連菌がのどの奥の粘膜に感染して炎症をひき起こします。

誰がいつかかるのか

溶連菌感染症は学童期の子供に多く見られますが、どの年代の人もかかる可能性があります。

冬(12月~3月)に流行しやすい傾向がありますが、一年を通じて流行する可能性があります。

感染経路としては、くしゃみや咳による飛沫感染が主です。発症までの潜伏期間は2~5日です。

溶連菌感染症の症状

溶連菌感染症にかかると、発熱をはじめ、喉、舌、皮膚といった広範囲に症状が現れます。ひとつひとつ見てみましょう。

発熱

溶連菌に感染すると、2~5日の潜伏期間の後、突然38℃~39℃の高い熱が出ます。多くの場合、喉の痛みを伴います(咽頭炎)。咳や鼻水など、一般的な風邪の症状はあまり見られません。

喉の腫れ、痛み

発熱とともに、多くの場合、咽頭炎や扁桃腺炎が起こります。喉が真っ赤に腫れあがり、白い膿が付着しているのが見えるケースもあります。

ただし、他の細菌やウイルス感染でも同じような症状が見られるため、この症状だけを見て溶連菌感染症と断定することはできません。のどちんこ周辺に赤く小さな点々(点状紅斑)が認められた場合は、溶連菌感染症の可能性が高くなります。

溶連菌(喉)

イチゴ舌

喉の腫れ、痛みだけでなく、舌に赤いブツブツが見られる場合があります。「イチゴ舌」と呼ばれる症状です。イチゴ舌も、咽頭炎と同様に溶連菌感染症だけの症状ではなく、川崎病という病気でも起こることがあります。

イチゴ舌

皮膚症状

溶連菌に感染すると様々な皮膚症状が現れます。

発熱してから1~2日後に、全身に赤い皮疹が出現することがあります。これは、「猩紅熱(しょうこうねつ)」と呼ばれ、以前は命に係わる危険な伝染病として恐れられていました。今日では抗生物質で治療が可能となっています。

猩紅熱

猩紅熱と呼ばれるほど症状が激しくなくても、手足や顔に部分的に皮膚症状が出ることがあります。その症状は様々で、指の先にゴワゴワとしたしわができたり、皮膚が白くむけたりします。

その他にも、手指が赤く変色したり、皮膚がむけたことでつるつるになったり、点状紅斑が出現したりします。溶連菌感染症による点状紅斑はザラザラとしたヤスリの様な手触りが特徴です。

顔の皮膚症状としては、皮膚がカサカサしたり、頬や額が赤くなったり、ニキビのような皮疹ができたりします。胸やお腹でも顔同様の症状が出ることがあります。これらの症状は発症から1週間ほどで改善に向かいます。

溶連菌感染症の検査

喉の菌を綿棒で採取し、迅速診断キットを使用し数分で診断することができます。必要に応じて、咽頭培養検査、血液検査などを行うこともあります。

溶連菌検査

子供がかかる病気の中で、ウイルス性のものの多くは、こうした迅速診断ができないケースが多いのですが、溶連菌はその場で特定することができ、それによって治療法も定まります。

溶連菌感染症の治療法

ペニシリン系の抗生物質

溶連菌には、ペニシリン系の抗生物質がよく効きます。服薬開始から2~3日で軽快し、他の人への感染力はなくなります

ですが、急性糸球体腎炎などの合併症を予防するために、計10日ほどは、抗生物質を飲み続ける必要があります。途中で止めてしまうと完全に治りきらず、再発する恐れがありますので、必ず医師の指示に従って、処方された薬は飲み切るようにしてください。

子供に自己管理させると、症状がなくなった後は勝手に飲むのをやめたり、飲み忘れたりすることが多いので、大人が服薬管理する方が安心です。

治療を開始して数週間後に尿の検査を行い、完治していることを確認します。

喉に優しい食べ物を

溶連菌感染症にかかると、喉の痛みが非常に強いので、食べ物を飲み込むのも一苦労です。ですので、冷たい、熱い、辛い、大きいといった食べ物は避けて、人肌に冷ましたスープや、とろみのあるシチュー、スムージー、おかゆ、うどん、プリンやゼリーなど、のどごしが良く、硬さのない物を少しずつ食べさせるようにして下さい。

また、発熱をしていると水分が普段以上に失われていくので、食欲がなくてもイオン飲料などで水分だけはきちんと摂るようにしましょう。

もし、どうしても水分が取れないときは早めに病院にかかってください。脱水症状があれば点滴してもらいましょう。

溶連菌感染症の予防法

飛沫感染が主なルートなので、感染者と接触しないことが基本となります。うがいや手洗いを徹底します。家庭内での感染も多いので、家族の中の誰かが感染した場合は、患者をできるだけ隔離し、看病する家族はマスクを着用するなど、万全の対策をしてください。同じような症状が現れたら、感染が疑われるので、早めに診察を受け、早期治療を心がけてください。

また、免疫力を高めるための小さな積み重ねも大切です。次の記事を参考になさってください。
【免疫力を高める食材】風邪に打ち勝つ食べ物13選

【免疫力を高める方法】今日からできる8つの生活習慣

溶連菌に感染した場合の登園・登校

溶連菌は、インフルエンザのように発症したら学校を休まなくてはいけないという規則はありません。しかし、溶連菌を学校で流行らせないためにも、症状があるうちは学校をお休みすることが望ましいでしょう。抗生物質により症状が改善すれば、他人への感染力はほぼ失われています。症状が改善してから登園・登校するようにしてください。

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