こんにちは! お金がなくて映画館になかなか行けない、えいぷりおです!
2018年6月に東京の2つの映画館で公開された『カメラを止めるな!』。話題沸騰で全国に拡大されつつあります。
この現象は「ポンデミック」と呼ばれ「ぽん!」と突然伸び上がる人が続出しているとか(見れば分かる)。
あなたも見ましたよね!
え、見てない!???
ダメです。すぐに見に行ってください!
予備知識は一切なしで、明日必ず見に行ってください!!
感想を書くなんてナンセンスの極みですが、何か書きたくて仕方ないので、何か書くことにしました。
映画館でこんなに笑ったことはない
僕が『カメラを止めるな!』を見たのは2018年7月26日。
この時点では、関西で上映しているのは京都桂川のイオンシネマのみ。8月以降、一気に拡大する予定ですが、待ちきれず大阪から京都まで見に行きました。
見た感想は…
映画館でこんなに笑ったことはない!
これに尽きます。
二重三重の入れ子構造。圧巻の伏線回収。
理詰めで緻密に練りに練られた脚本。なのに、
理屈抜きでダイレクトに脳髄を直撃する。
内容は説明できません。
見るしかないんですよ!
明日、すべての予定をキャンセルして見に行ってください。
制作費300万円の衝撃
この映画は低予算で作られたことが話題になっています。
制作費300万円。
これ衝撃的な数字です。
この映画は、ENBUゼミナール・CINEMA PROJECTという俳優さんのワークショップから生まれたそうです。
無名な俳優さんたちが自ら受講料を払って若手映画監督のワークショップを受講し、その流れで一緒に映画を作り上げていくものだとか。
はっきりとは分かりませんが、制作費300万円は俳優さんの支払った受講料とクラウドファンディングで捻出したお金らしい。
史上最高額の制作費と言われるのが「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(2007)の375億1,000万円。
比べたら1万分の1以下ですよ。300万円ぽっちりでは、パイレーツを1秒も作れないんですよ。
でもはっきり言いますが、「カメラを止めるな!」の方が圧倒的に僕の心に刺さりました。
お金じゃないんだ!
愛なんだ!
という監督、キャスト、スタッフ全員の叫びが聞こえてくるようです。
この衝撃は日本にとどまらず、世界にとどろくことでしょう。
予算のやりくりが気になる
内容の本質からちょっと離れちゃうかもしれませんが、制作費300万円のやりくりがめっちゃ気になります。
ジャンルは違いますが、僕はテレビ番組の制作会社で長く働いているので、300万円がいかに小さな額かが肌感覚で分かります。
普通なら大物俳優ひとりのギャラにもなりません。
この映画はワークショップから作られているので、受講料を払っている俳優さんはノーギャラのはず。
上田慎一郎監督のインタビュー記事によると、二人の女優さん、ヒロインの秋山ゆずきさんと「ぽん!」のしゅはまはるみさん(見れば分かる)はゲストで呼んだとありますから、この二人にはギャラが発生している。
でもおそらくボランティアに近いくらいの薄謝と思われます。例えば一人10万円とか。
スタッフは公式HPに書かれているだけでも20名余。彼らへのギャラは? ひとり5万円でも合計100万円になっちゃう。
廃墟での撮影は短く見積もっても、リハーサル1日、37分ワンカットの撮影に丸2日、個別のシーン撮影に丸2日、天気待ちの予備日に1日… これでギリギリでしょうね。
約1週間、スタッフ・キャスト合わせて40~50名の宿泊と食費だけで、普通に考えたら軽く300万円いっちゃいます。
だから1人1部屋はありえず、大部屋で雑魚寝、食事は自炊みたいな体制としか考えられない。
ロケ地は水戸市の浄水場跡とのことなので、東京からの行き帰りは50人クラスのバス移動。この車両代も10万円じゃききません。
音楽も少なくとも2曲は作っているので、そのギャラも値切って10万円。いや5万円。
編集は監督自らやっているようなのでお金かからないけど、映像の最終ポスプロや音声ダビングなどのリソースはそれなりにかかります。
他にも衣装とか小道具とか、細々したものもチリツモですから馬鹿になりません。
そんな風にもろもろ考えてみると…
うそでしょ300万円なんて…
どうやって実現したのか謎すぎる。あまりに衝撃的。
でも、だからこそ、あの肌触り満点の手作り感が出たのでしょう。
ほとばしるような映画への愛があふれちゃったのでしょう。
もし潤沢な資金があったなら「カメラを止めるな!」は、あれほどの大傑作にはならなかったんだと思います。
(注)ここに書いた経費予想は僕の勝手な想像です。映画業界のしきたりもギャラの相場もまったく知らずに書いてますので… ぜんぜん違ってても許してください!)
えいぷりお的まとめ
『カメラを止めるな!』には、キャスト・スタッフすべての人達のほとばしるような映画愛があふれかえっています。
ものづくりの原点について、強烈に考えさせられます。
あの熱気。ぜひあなたも映画館で味わってください。