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【ベートーヴェンの生涯2】〈両親〉父ヨハンと母マリア・マグダレーナ ルートヴィヒの誕生

ベートーヴェンの生家(アイキャッチ用トリミング)

大作曲家、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827)の生涯をたどるシリーズの第2回は、父親ヨハンと母親マリア・マグダレーナの結婚、そしてルートヴィヒと2人の弟の誕生についてお話していきましょう。

▼前回「〈祖父母〉大作曲家のルーツ 祖父 ルートヴィヒの人生」はこちら。

祖父ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン【ベートーヴェンの生涯1】〈祖父母〉大作曲家のルーツ 祖父 ルートヴィヒの人生

ベートーヴェンのカテゴリー

父親ヨハン・ヴァン・ベートーヴェン

前回(第1回)は、ベートーヴェンの祖父ルートヴィヒについて触れました。今回は、その子供ヨハンの紹介から始めていきます。

ヨハン・ヴァン・ベートーヴェン(1740~1792)は、宮廷音楽家の息子として生まれ、早くから音楽教育を受けました。

12歳で礼拝堂のボーイ・ソプラノとして出仕。ピアノやヴァイオリンも学び、16歳で宮廷音楽家の資格を得ます。

21歳のときに、父親が宮廷楽長に昇進。その威光もあってか、24歳でテノール歌手として正式に宮廷から給与を得るようになます。

本業を務めながら、上流家庭の子弟に声楽や器楽の演奏を教えたり、宮廷に職を求める若い音楽家たちの個人指導などもしていたようです。

母親マリア・マグダレーナ

ヨハンが結婚相手に選んだのは、マリア・マグダレーナ(1746~1787)という女性でした。

彼女が生まれ育ったのは、ボンからライン川に沿って60kmほど南にある、エーレンブライトシュタインという町でした。

▼この町は、古くからの軍事拠点、エーレンブライトシュタイン要塞で知られます。

コブレンツのエーレンブライトシュタイン要塞

彼女の父親は、宮廷の料理長を務めていた人物で、親戚には起業家や参事会員、高位の聖職者もいたようです。

彼女は、17歳で一度結婚しましたが、2年後に夫が亡くなり、未亡人となります。子供も一人生まれましたが、亡くなっています。

ベートーヴェンの父親ヨハンと、どこで出会ったのかは不明ですが、二人は1767年11月12日に結婚。ヨハン27歳、マリア21歳でした。

▼二人の肖像。左がヨハン・ヴァン・ベートーヴェン、右がマリア・マグダレーナ。

ベートーヴェンの父と母

▼結婚式を挙げたのは、ボンの聖レミギウス教会。後にベートーヴェンが生まれたとき、洗礼を受けたのもこの教会でした。

聖レミギウス教会(ボン)ベートーヴェンが洗礼を受けた

ボンガッセでの新婚生活

ヨハンとマリア・マグダレーナは、ボンガッセ(ボン通り)に新しい所帯を構えました。父親の家からもほど近い場所でした。

当初、父は息子の結婚に反対していました。相手が未亡人だからなのか、家柄などを気にしたのか、その理由はよく分かりません。

ですが、マリアの気立てのいい性格を知り、次第に打ち解けていったようです。

▼夫婦の最初の住まい。通りに面した建物の裏手にある質素な離れでした。

ベートーヴェンの生家

ベートーヴェン誕生

二人の最初の子供は、結婚から1年半ほど経った1769年4月に生まれましたが、生後数日で亡くなってしまいます。

二人目の子供として誕生したのが、1770年12月16日に生まれたルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンでした。先ほど紹介した質素な家の、屋根裏の寝室で産声をあげました。

幼いころ彼はルイと呼ばれていました。

▼生家は今も保存され、ベートーヴェン・ハウスとして博物館になっています。

ベートーヴェン・ハウス

(ベートーヴェン・ハウスHPから引用)

ルイの後、夫婦には5人の子供が生まれますが(女の子1人、男の子4人)、無事に育ったのは2人だけでした。

4歳下の弟、カスパル・アントン・カール(1774~1815)と、6歳下の弟、ニコラウス・ヨハン(1776~1848)です。

母マリア・マグダレーナは、前の結婚も合わせると、8人の子供を生み、そのうち5人を幼くして失っているのです。

乳幼児死亡率が50%以上だった当時としては珍しいことではなかったとはいえ、彼女は想像を絶する悲しみを抱えていたに違いありません。

それでも優しく聡明で、信仰深く真面目だった母親のことを、少年ルイは心の拠り所として育っていったのでした。

▼次回「〈少年時代〉誕生~7歳でのデビュー・コンサートの失敗」はこちら。

ベートーヴェン幼少期 最初のレッスン【ベートーヴェンの生涯3】〈3~10歳〉幼少期から少年時代 7歳でのデビュー・コンサートの失敗

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