こんにちは。そなてぃねです。
僕の独断と偏見で、おすすめのクラシック音楽をご紹介するシリーズ。
今日は、感動したいときに聴いてほしい「涙腺崩壊しちゃうクラシックの名曲」をご紹介します。ハンカチのご準備はいいですか?
チャイコフスキー作曲 弦楽セレナード から第1楽章
▼1997年から流れていたこのCM、ご存知ですよね。
このCDの影の主役とも言えるのが、チャイコフスキーの弦楽セレナードです。
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840~1893)はロシアの作曲家。究極のメロディ・メーカーと言われ、「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」などの名曲を残しました。
弦楽セレナードも最初の1音からグッとつかまれます。これは名曲の証!
今回は有名な第1楽章をご紹介していますが、第2楽章のワルツも、第3楽章のエレジーも、第4楽章のフィナーレも素晴らしいので、ぜひ続けて聴いてみてください。
▼小澤征爾(1935~)指揮、サイトウ・キネン・オーケストラによる動画。1992年に長野県松本市で「サイトウ・キネン・フェスティバル」が初めて開催されたときの放送です。
当時高校生だった僕は、日本が世界に誇るスタープレイヤーが集結したこのオーケストラに熱狂し、この番組のビデオを、すべてのカットを記憶するくらいに繰り返し見ました。
演奏はもちろんのこと、NHKによる撮影も本当に素晴らしいです。
▼CDは名盤中の名盤、ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908~1989)指揮、ベルリン・フィルの演奏をおすすめします。他の演奏も色々と聴いてきましたが、やはりこれを超える演奏はなかなか現れそうにありません。
ボロディン作曲 弦楽四重奏曲 第2番から第3楽章
続いては、室内楽を。ロシアの作曲家、アレクサンドル・ボロディン(1833~1887)は、医者であり、有機化学の学者としても多くの功績を残した異色の存在です。
兼業だったため作品の数は多くありませんが、歌劇「イーゴリ公」や交響詩「中央アジアの平原にて」など、今も愛され続ける名曲がいくつかあります。
そんな名曲のひとつが、弦楽四重奏曲 第2番です。郷愁を誘う美しい旋律に、ほろっと涙がこぼれそうになります。
中でも第3楽章は「ノクターン(夜想曲)」というタイトルがついていて、チェロの奏でる旋律は感動的です。
▼作曲者の名を冠したボロディン弦楽四重奏団による歴史的な名演奏。ヴァレンティン・ベルリンスキーという素晴らしいチェロ奏者の音を堪能できます。
(第3楽章が始まる13:20から再生されます)
マーラー作曲 交響曲 第5番から第4楽章「アダージェット」
グスタフ・マーラー(1860~1911)は、ウィーンで活躍した作曲家。
彼は生前、ウィーン国立歌劇場とウィーン・フィルの指揮者に就任し、楽壇の頂点にのぼりつめましたが、作曲家としては必ずしも評価されなかったようです。
日本でマーラーが認知されるようになったのは、おそらく1980年代になってからだと思います。僕も中学時代くらいにレコード店で初めて名前を知りました。
初めて交響曲 第5番を聴いたときの衝撃は今も忘れられません。
第4楽章の「アダージェット」は、ハープと弦楽だけで奏でられる、あまりにも美しい楽章です。
若く美しいアルマとの結婚が影響しているのでしょうか。静謐さの中に震えるような愛の告白を感じます。
▼レナード・バーンスタイン(1918~1990)指揮、ウィーン・フィルによる映像記録。1972年にウィーン学友協会で撮影されたものです。こんなにも愛に溢れた音楽を聴ける奇跡に、涙を禁じえません。
(第4楽章が始まる44:29から再生されます)
交響曲全体は70分もある大曲。ぜひ最初から最後まで聴いてみてください。心震える瞬間が何度も訪れることでしょう。
ブルッフ作曲 バイオリン協奏曲 第1番から第2楽章
マックス・ブルッフ(1838~1920)は、ドイツの作曲家。旋律の美しさが持ち味で、バイオリン協奏曲 第1番は彼の代表作と言っていいでしょう。
僕がこの曲と出会ったのは、高校時代にイツァーク・パールマン(1945~)の来日公演をテレビで見たときでした。
なんて明るく伸びやかな音色なんだろう…!
パールマンの奏でる旋律は、大空に一直線の軌跡を描く飛行機雲のようでした。
青春時代の僕は、輝きながら飛翔するその旋律を仰ぎ見るように、この曲を心に刻みました。
▼1991年の放送。映像も音もいい状態ではありませんが、唯一無二の素晴らしい演奏です。
(第2楽章が始まる8:54から再生されます)
ラフマニノフ作曲 ピアノ協奏曲 第2番
「感動の名曲」と言えば、やはりこの曲をはずすことはできません。
セルゲイ・ラフマニノフ(1873~1943)は、濃厚なロマンティシズムと重厚な和音で数々の名曲を残したロシアの作曲家。
当代随一のピアニストでもあり、素晴らしいピアノ曲を多く残しました。
中でも最大の成功をおさめ、ラフマニノフの代名詞となったのが、ピアノ協奏曲 第2番です。
▼40代にして大巨匠への道を着実に歩み続けているエフゲーニ・キーシン(1971~)の、2014年のライブ。
▼ロシアの大巨匠スヴャトスラフ・リヒテル(1915~1997)のCD。1959年の古い録音ですが、リヒテルの重厚な音がクリアに記録されています。人類の宝です。
あとがき
心を震わせる名曲というのは、一人一人の記憶と結びついているものだと思います。
今回は僕の思い出の作品をご紹介しましたが、皆さん一人一人に、きっと忘れられあいメロディがあることでしょう。
お互いに感動した作品を分かち合えるのも、音楽の素晴らしさですね。