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【演奏会の感想】関西フィル/藤岡幸夫のヴェルディ「レクイエム」 団結力が生み出した祈りの響き

こんにちは! クラシック音楽が大好きな、えいぷりおです!

大阪に単身赴任して、関西のオーケストラの演奏会を聴きに行くようになりました。

関西には6つのプロ・オーケストラがあります。

【関西の6つのプロ・オーケストラ】

  • 大阪フィルハーモニー交響楽団
  • 大阪交響楽団
  • 京都市交響楽団
  • 日本センチュリー交響楽団
  • 関西フィルハーモニー管弦楽団
  • 兵庫芸術文化センター管弦楽団

今回は関西フィルハーモニー管弦楽団の演奏会を聴きに行ってきました。

合唱団を含めたおよそ150人が感動的な祈りの音楽を奏でました。その感想と気付きを書き留めたいと思います。

関西フィルハーモニー管弦楽団とは

まず関西フィルハーモニー管弦楽団(以下、関西フィル)について、簡単にご紹介しておきましょう。

関西フィルは、1970年ヴィエール室内合奏団として発足し、その後1982年に関西フィルハーモニー管弦楽団と改称され今に至ります。もうじき50周年を迎えるのですね。

世界的バイオリニスト、オーギュスタン・デュメイが、2008年から首席客演指揮者を務め、2011年から音楽監督に就任しています。こうした偉大な音楽家によって、10年かけて鍛えられてきたわけです。

今回指揮した藤岡幸夫さんは、2000年から正指揮者を務め、2007年からは首席指揮者という立場に就いています。18シーズンという長い付き合いが両者の信頼関係を物語っていますね。

藤岡さんと関西フィルのコンビが、どのような響きを紡ぎ出すのか、楽しみに聴きに行きました。

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第294回定期演奏会を聴きに行ったよ

僕が聴きに行ったのは、第294回定期演奏会。このような内容でした。

【関西フィル 第294回定期演奏会】

ヴェルディ作曲「レクイエム」

 

ソプラノ 半田美和子
メゾソプラノ 八木寿子
テノール 畑 儀文
バリトン 与那城敬

 

指揮 藤岡幸夫
管弦楽 関西フィルハーモニー管弦楽団

合唱 関西フィルハーモニー合唱団

 

2018年7月14日(土)
ザ・シンフォニーホール

指揮は首席指揮者の藤岡幸夫

指揮者は関西フィル首席指揮者の藤岡幸夫(ふじおか・さちお)さんでした。プロフィールを簡単にご紹介しましょう。

藤岡さんは1962年東京生まれ。大指揮者サー・ゲオルグ・ショルティのアシスタントを務めた、という経歴が目を引きます。

慶応義塾大学文学部を卒業してから、28歳で英国王立ノーザン音楽大学の指揮科に入学。1992年にEU諸国の最も才能ある若手指揮者に贈られる「サー・チャールズ・グローヴス記念奨学賞」を受賞したそうです。

31歳でBBCフィル(イギリス)の定期演奏会に出演。ロンドン夏の風物詩である「プロムス」の舞台にも立っています。

その後、数多くの海外オーケストラに客演してから33歳で日本デビュー。逆輸入された感じですね。

先程も少し触れましたが、2000年から関西フィルの正指揮者、首席指揮者を努めて今日に至ります。

僕は東京では一度も藤岡さんの指揮する演奏会には行ったことがなく、今回が初めてでした。

藤岡さんの公式サイトには、こんな理念が書かれています。

「日本は東京集中が続く限り後進国。欧米先進国は首都以外の都市が経済的、文化的にしっかりステイタスを持っている。日本のクラシック界は東京以外のオーケストラもどこまで発展できるか?裾野をどこまで拡げられるか?がとても重要」

まさに18年をともに歩んできたのが関西フィルなのです。

ヴェルディ作曲「レクイエム」

ジュゼッペ・ヴェルディ(1813~1901)は、「ナブッコ」「リゴレット」「椿姫」「アイーダ」などで知られるオペラ作曲家です。イタリアで最も重要な作曲家と考えられています。

オペラに新たな時代を切り開いたヴェルディが、もっとも充実していた61歳のころに作曲されたのが「レクイエム」です。

「レクイエム」とはカトリックの死者のためのミサ曲です。

本来は鎮魂の音楽であるはずのレクイエムですが、ヴェルディの作品はオペラのような劇的な表現で書かれていて、初演当時は酷評する識者も多かったといいます。

演奏時間が85分におよぶ大作ですが、「ディエス・イレ(怒りの日)」は聴いたことがある方も多いのではないでしょうか。

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絶叫するような合唱、魂を貫くような大太鼓、これを初めて聴いた聴衆の衝撃は大きかったことでしょうね。

この音楽を、関西フィル/藤岡幸夫は、どのように演奏したのでしょうか。

宗教音楽として静かな祈り

今回の演奏を聴いて、強く感じたのは「宗教音楽としての静かな祈り」でした。

藤岡さんは演奏会前のプレトークで、

「劇的な面が強調されがちなこの曲の宗教的なの側面を打ち出したい」

と語っていました。そのコンセプトは楽団員と合唱団員にしっかりと浸透していました。特に、弱音の響きを大切にしてヴェルディの内なる声に光を当てようとする姿勢は徹底されていると感じました。

正直に言いますと、楽団員ひとりひとり、合唱団員ひとりひとりの技量は高いとは思いませんでした。音程やフレージングなど、細かい部分で物足りなさを感じるところは多々ありました。

しかし、藤岡さんはすべての楽団員を静かな祈りの音楽へと導き、強い団結力を築き上げていました。その結果、ステージ上のおよそ150人のプレイヤーから、荘厳な宗教的な調べが紡ぎ出されたのです。

ザ・シンフォニーホールの1700席を埋め尽くした聴衆も、ともに祈りを捧げているようでした。会場全体が共振したような特別な時間。これはなかなか味わえるものではありません。

メゾソプラノ八木寿子の美しい歌

この作品には4人のソリストが登場します。

僕がその中でもっとも感動したのは、メゾソプラノの八木寿子(やぎ・すみこ)さんという歌手でした。

八木さんは京都市立芸術大学の修士課程を首席で修了し、第9回東京音楽コンクール第1位。第81回日本音楽コンクール入選という受賞歴を持っています。

現在の立場は神戸市混声合唱団の団員とのことですが、彼女の技量は明らかにソリストだと思いました。

凛とした美しい声。ビブラートを抑えたストイックな発声で、折り目正しく捧げられた鎮魂の歌。あれほど完璧な音程で歌うメゾは、僕は聴いたことがありませんでした。

特に弱音の美しさは息をのむほどでした。アカペラで彼女が祈るように発する声は、空間をまっすぐに突き抜けて直接たましいに語りかけてくるようでした。

他の3人のソリストも素晴らしかったですよ。

ソプラノの半田美和子(はんだ・みわこ)さんは国際的に活躍している方で、難解な現代音楽を完璧に歌いこなすことができる稀代のテクニシャンでもあります。

テノールの畑 儀文(はた・よしふみ)さんは、大阪を拠点に活動を続けてきた方だそうです。柔らかく慈しみに満ちた声に魅了されました。今回の合唱団の指導者でもあります。

バリトンの与那城敬(よなしろ・けい)さんは、様々なオペラで活躍するほか、バッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーとしてバロックも歌うことができる実力派です。

僕は半田さんと与那城さんは東京でも何度か聴いたことがあり、彼らの素晴らしさは知っていました。

そんな中にあって、やはり今回僕がもっとも感銘を受けたのはメゾソプラノの八木寿子さんだったのです。彼女の存在を知ることができたのは大きな喜びでした。

【関連記事】 八木寿子さんが所属する神戸市混声合唱の演奏会に行きました。八木さんも感動的なソロを聴かせてくれました。

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えいぷりお的まとめ

18年の歳月をかけてじっくりと育まれた藤岡幸夫さんと関西フィルのサウンド。

そして東京ではあまり知られていないと思われるメゾソプラノ八木寿子さんの感動的な歌。

関西に来てよかったなぁと感じた素晴らしい演奏会でした。
【関連記事】 関西のオーケストラを他にも聴きにいきました。それぞれに特徴のある演奏、とても楽しんでいます。

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クラシック音楽の記事について

子供のころから大好きだったクラシック音楽について書いてみることにしました。

様々な音楽ジャンルの中でも「敷居が高い」と敬遠されがちなクラシック音楽。分かりやすく口ずさめるポップスなどと違って、確かにクラシック音楽は複雑だったり長すぎたりと、ちょっととっつきにくい面があるかもしれません。

ですが、だからこそクラシック音楽は奥深いんです。その魅力を僕自身も再発見しながら書いていきたいです。

クラシック音楽の記事まとめ

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