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【演奏会の感想】Ensemble FOVE「TRANS」若き作曲家と演奏家たちの挑戦(2018年12月 京都)

こんにちは。えいぷりおです。

僕はクラシック音楽が大好きですが、現代音楽というジャンルも大好きです。

才能ある若い作曲家と演奏家たちが、音楽の新しい可能性を追求する姿は、まぶしいものがあります。

「現代音楽は難解」と思われがちですが、難しい知識など必要ありません。

ただ心に響く音楽かどうか、それだけです。

僕がいま注目しているのは、作曲家の坂東祐大(ばんどう・ゆうた)さんと、彼が主宰する凄腕の若手演奏家集団「Ensemble FOVE(アンサンブル・フォーヴ)」です。

2018年12月に京都で行われたライブTRANSは圧巻でした。

生演奏と録音が凄まじいサラウンド効果を生み出した、まったく新しい音楽体験。

彼らのパフォーマンスは近い将来、世界をあっと驚かせることになると思います。

この記事では「TRANS」の概要と感想を書き留めます。

作曲家 坂東祐大さんについて

坂東祐大(ばんどう・ゆうた)さんは、今もっとも売れっ子の現代作曲家です。

簡単に坂東さんのプロフィールをご紹介します。

1991年、大阪府出身。東京藝術大学の作曲科を首席で卒業。修士課程を修了。

2014年、第83回日本音楽コンクール第3位。
2015年、第25回芥川作曲賞を受賞。

クラシックだけでなく、ジャズやロックにも精通し、ハイブリッドな作風で現代作曲界に鮮烈なインパクトを与えています。

Ensemble FOVEとは

坂東さんが2016年に設立したのが、若手演奏家13人を擁する「Ensemble FOVE(アンサンブル・フォーヴ)」です。

13人のメンバーは、本物の凄腕ぞろい。

国際的なコンクールの優勝者や、ソリストとして世界で活躍する20~30代のプレイヤーたちが集まっています。

全員が「何か面白いことをやってやろう!」と本気で遊んでいるところが、このグループの最大の魅力だと思います。

個々人の素晴らしさについては、また別の記事でご紹介します。

2018年12月「TRANS」公演の概要

今回の公演の概要です。

【Ensemble FOVE presents TRANS】

 

作曲:坂東祐大
演奏:Ensemble FOVE

 

2018年12月27~28日(3公演)
京都芸術センター

3回の公演が行われ、終演後には全員が出てきてトークショーも行われました。

京都芸術センターとは

(引用:京都市情報館)

ライブの感想を述べる前に、会場について触れておきます。

行われたのは普通のコンサートホールではありません。

京都芸術センターは、もともと小学校だった建物です。

1993年(平成5年)に124年の歴史をもって閉校した明倫小学校。

堅牢な造りの美しい建築で、閉校後も壊されずに保存されました。

2000年(平成12年)から京都芸術センターとして生まれ変わり、ジャンルを問わず若い世代の芸術家の制作活動の場となっています。

今回のような実験的なプロジェクトを積極的に支援し、制作のチャンスを与えているのです。

立体音響で聴衆をトランス状態に導く

(引用:京都市情報館)

公演が行われたのは、趣のある講堂です。

演奏会は普通、正面のステージで演奏が行われますよね。

でも今回は、この空間をもっと自由に大胆に使っていました。

講堂の中心には、エレクトロニクス(音響と照明)のオペレーターが。

その周囲に、聴衆が思い思いの場所に座ります。

聴衆の座席は、いろんな向きにランダムに置かれています。

聴衆の周りには、6人のプレイヤーと、6個のスピーカーが配置されています。

6個のスピーカーから聞こえてくるのは、事前に録音され様々に加工された音源。

その音源と6人のプレイヤーがスリリングな共演を繰り広げます。

音楽に合わせて照明の演出も。

聴衆は立体的な音響に包まれ、異次元に連れていかれるような新しい聴覚体験を味わうことになります。

快感と危険の間

終演後のトークショーで坂東さんは快感と危険の間という言葉を使っていました。

気持ちいいだけの音楽ではなく、危険な領域に踏み込んでいくスリルが、本当の快感をもたらすということ。

美しい音楽を期待して来たお客さんの中には、びっくりして不快になる人もいたでしょう。

実際、演奏中に出て行ってしまった人が3人くらいいました。

その人たちは、危険な音によってトランス状態に導かれるのが怖くなったのかもしれません。

Ensemble FOVEの6人のプレイヤー

6人の演奏者は、凄腕ぞろい。

20~30代の彼らが、これまでになかった音楽を生み出そうと、持てる技術の限界を超えて挑戦したのが、今回の「TRANS」でした。

一言ずつ勝手な感想を書きます。

サクソフォン:上野耕平(うえの・こうへい)
超売れっ子。鉄道オタク。超絶のテクニックを持つ彼が、火の出るような表現で超攻撃的なソロを吹き、やはり圧倒的だった。

オーボエ:荒木奏美(あらき・かなみ)
東京交響楽団の首席。狂った音を楽譜通りきちんと正確に吹く。彼女が本気で殻を破ったら、とてつもなくエロいんだろうなと想像した。

ファゴット:中川日出鷹(なかがわ・ひでたか)
現代音楽を吹かせたら世界トップクラス。楽器の先にくしゃくしゃにしたアルミホイルをかぶせ、変態的で凄まじい演奏を聴かせた。

バイオリン:伊藤亜美(いとう・あみ)
名手で美人。すごくオープンな音楽をする人。たしかママになったばかり。ラストの長大なソロは子守唄。鋭さの中に母性を感じた。

ビオラ:安達真理(あだち・まり)
海外のオーケストラで活躍。すごくいい香りの芳醇な音を奏でる。今回は目立つソロはなかったけれど、常に微香を放ち続けていた。

コントラバス:地代所悠(じだいしょ・ゆう)
ゴジラの鳴き声で有名な人。今回の作品では彼が「重力」を担っていたのかな。ずっと講堂の床から響いている感じがした。

エレクトロニクス:宮下和也(みやした・かずや)
ぱっと見、何をしているのか分からないけど、彼がいないと絶対に成り立たないライブ。喝采を送りたい。

演奏された8つの作品

演奏されたのは8つの作品には、それぞれにイマジネーションを掻き立てられるタイトルと小さな文章がつけられています。

作曲家の意図が少し分かるような気がするので、引用しておきます。

  1. Bubbles & Scales
    短く凝縮されたイントロダクション。
    聞き手をTRANSの世界へと誘う。
  2. Etude
    緻密に計算された”音階のゆがみ”が、予想不可能な音響を生み出す。
    音階による練習曲(エチュード)。
  3. Poly Clock Etude
    壊れたメトロノームたちに合わせて繰り広げられる、
    サックスのための超攻撃的で意地悪な練習曲。
  4. Transform and Deform
    ファゴットとエレクトロニクスによる。
    架空のベルトコンベアーの上で音が変容してゆく様は
    まるでロボットの合体/変形のよう。
  5. Trance homage to Johann Johannsson
    呼吸から生まれる重力。
    重力から生まれる超越(=TRANS)
  6. Seesaw
    シーソーのように、あらゆる要素がアンバランスに変換されてゆく。
    平衡感覚のゆがみ。
  7. Melting dance
    踊り手を踊らせないためのダンスミュージック。
    既出の作品が断片的にコラージュされる。
  8. Untitled / fantastic
    ヴァイオリンソロとエレクトロニクスによって繰り広げられる
    遊戯と子守唄。

音楽は「体感する」時代へ

今回のような音楽は、CDや映像では味わうことができません。

会場に来て体感する以外にありません。

まさにライブの醍醐味ですね。

客層は普通のクラシック音楽の公演よりも若者が多かったような気がします。

やはり若者たちは、同世代の挑戦に興味があるのでしょうね。

もっともっと、こんなチャレンジングな企画が増えてほしいです。

【関連記事】 クラシック音楽についての記事まとめはこちらへ。

クラシック音楽の魅力とは何か? おすすめの曲、旅行記、演奏会の感想など記事まとめ

えいぷりお的まとめ

Ensemble FOVEは、若手のトップ奏者たちが、自分たちの限界を超えた音楽を生み出すために、本気で遊んでいる稀有な集団です。

僕は彼らを応援したい。

そして、このような制作の場を与えた京都芸術センターに感謝したいです

彼らが次にどんなプロジェクトを仕掛けてくるのか、ワクワクしながら待ちたいと思います。

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