初めての方はこちらへ! 記事のご案内


【演奏会の感想】京都市交響楽団 若手指揮者リオ・クオクマンとの「悲愴」を聴く

こんにちは!東京から大阪に単身赴任して、関西で聴くクラシック音楽が楽しみな、えいぷりおです!

日本におけるクラシック音楽の中心は東京と思われがちですが、地方には独自の音楽文化が育まれています。

関西にも実に豊かな音楽文化が息づいています。個性的な楽団がたくさんあり、小さなホールも独自の企画を打ち出していて、東京では聞くことのできない演奏会がたくさん催されています。

関西には次の6つのプロ・オーケストラがあります。

【関西の6つのプロ・オーケストラ】

  • 大阪フィルハーモニー交響楽団
  • 大阪交響楽団
  • 京都市交響楽団
  • 日本センチュリー交響楽団
  • 関西フィルハーモニー管弦楽団
  • 兵庫芸術文化センター管弦楽団

今回は京都市交響楽団の演奏会を聴きに行ってきました。

第624回定期演奏会を聴きに

僕が聴きに行ったのは京都市交響楽団 第624回定期演奏会です。

【京都市交響楽団 第624回定期演奏会】

 

  1. ジェニファー・ヒグドン作曲
    「ブルー・カセドラル」(日本初演)
  2. ドボルザーク作曲
    バイオリン協奏曲 イ短調 作品53
  3. チャイコフスキー作曲
    交響曲 第6番 ロ短調「悲愴」作品74

 

指揮 リオ・クオクマン
バイオリン ヨゼフ・シュパチェク

 

2018年6月15日(金)19時~
京都コンサートホール 大ホール

1曲目に現代音楽の作品。2曲目には、あまり演奏される機会のない協奏曲。そして3曲目に名曲中の名曲「悲愴」というプログラム。

指揮者もソリストも若手で、僕は初めて知るお名前でした。期待が高まります。

仕事を早く切り上げて、大阪から京都に1時間半ほどかけて行ってきました。

京都市交響楽団とは

京都市交響楽団は1956年、日本で唯一の自治体直営のオーケストラとして創設。60年以上の歴史を持ちます。

現在は広上淳一(ひろかみ・じゅんいち)を筆頭に、高関健(たかせき・けん)、下野竜也(しもの・たつや)という日本を代表する実力派の指揮者を常任にすえています。

個人的な思い出を言うと、高校時代(おそらく1990年くらい)に、井上道義の指揮、チェロのヨーヨー・マをソリストに迎えた演奏会が、強く心に残っています。

天才ヨーヨー・マの奏でるドボルザークのチェロ協奏曲は、研ぎ澄まされた鬼気迫るものでした。そして、それに全身全霊で応える井上道義と京都市交響楽団の演奏も、ほとばしるような熱を帯びていました。

メインで演奏されたのは、シベリウス作曲の交響曲 第7番。うねるような弦楽器の響きは北欧の大自然を感じさせ、当時15~16歳だった僕の心にしっかりと刻まれたのでした。

その後2008年に広上淳一を迎えてからの10年間で、飛躍的に実力が上がってきたような気がします。

指揮者は期待の若手、リオ・クオクマン

指揮者のリオ・クオクマンは、中国系の方のようです。

もともとピアニストで、国際コンクールでの優勝経験も持つ腕前だとか。今回の演奏会でも、バイオリン協奏曲の後のアンコールで、美しいピアノ伴奏を聴かせてくれました。

指揮者としては、フィラデルフィア管弦楽団をはじめとする世界の一流オーケストラで頭角を現しはじめています。

今回のメインプログラムは、名曲中の名曲、チャイコフスキーの「悲愴」でしたが、非常に聴きごたえがありました。

無駄のないシャープな指揮に京都市交響楽団は鋭敏に反応し、輪郭のくっきりと際立った巨大な美しい彫刻を掘り上げていくようでした。

テンポの変化も音色の陰影も、彼の身体の動きとオーケストラから出てくる音が寸分狂わず一体となっていて、見事でした。

バイオリニスト、シュパチェクの魅力

ドボルザークのバイオリン協奏曲のソロは、チェコ出身のヨゼフ・シュパチェクでした。

シュパチェクは1986年チェコ生まれ。現在32歳。アメリカの名門カーティス音楽院を卒業後、ジュリアード音楽院で巨匠パールマンに師事しています。

2008年カール・ニールセン国際音楽コンクールで第3位。12年エリザベート王妃国際音楽コンクールのファイナリストという成績も立派ですが、24歳でチェコ・フィル史上もっとも若いコンサートマスターに就任という経歴が目を引きます。

彼の奏でる音楽には明るさと清潔感が感じられます

ドボルザークのバイオリン協奏曲は演奏される機会が少なく、僕は初めて生で聴いたのですが、あまり知らなかったこの曲がシュパチェクの手にかかると、すっと心に入ってくるのです。

コンサートマスターとして多くの管弦楽曲を演奏してきた経験が、作品の構成を見通すセンスを養ったのでしょうか。

指揮者リオ・クオクマンとの相性もぴったり。アンコールにはクオクマンがステージの端に置かれていたピアノを弾いて、ドボルザーク作曲「我が母が教え給えし歌」が演奏されました。

シュパチェクの故国チェコの音楽。慈しむような優しい音に、会場全体がうっとりと聴き惚れるのでした。

えいぷりお的まとめ

指揮者リオ・クオクマンと、バイオリニストのヨゼフ・シュパチェク。まったく知らなかった若い才能で出会えたことは大きな喜びでした。

そして、彼らとともに素晴らしい演奏を聴かせてくれた京都市交響楽団。高校時代に初めて聴いてから25年以上の歳月が流れました。当時感じたうねるような弦の響きに加えて、アンサンブルは明晰さと深みが増したように感じました。

大阪から京都はちょっと遠くて、演奏を聴いて帰宅すると23時を回ってしまうのが難題… でも、また聴きに行きたい! そう思わせてくれるオーケストラです。

〔関連記事〕関西のオーケストラを他にも聴きにいきました。それぞれに特徴のある演奏、とても楽しんでいます。

【演奏会の感想】日本センチュリー交響楽団の引き締まった響き、ジャン・ワンとの共演も
【演奏会の感想】関西フィル/藤岡幸夫のヴェルディ「レクイエム」 団結力が生み出した祈りの響き
【演奏会の感想】大阪交響楽団/川瀬賢太郎 「ばらの騎士」夢のような響きに感涙

クラシック音楽の記事について

子供のころから大好きだったクラシック音楽について書いてみることにしました。

様々な音楽ジャンルの中でも「敷居が高い」と敬遠されがちなクラシック音楽。分かりやすく口ずさめるポップスなどと違って、確かにクラシック音楽は複雑だったり長すぎたりと、ちょっととっつきにくい面があるかもしれません。

ですが、だからこそクラシック音楽は奥深いんです。その魅力を僕自身も再発見しながら書いていきたいです。

クラシック音楽の記事まとめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください