こんにちは! 単身赴任ブロガーの、えいぷりおです!
2018年12月1日から「新4K8K衛星放送」の本放送がスタートします。
テレビが新たな時代に入るわけですが、そもそもテレビを見る人が激減していると言われるこの時代に、4K・8Kは普及するのでしょうか?
番組制作会社で働いた経験のある僕は、こう予想しています。
4Kテレビは普及する
8Kテレビが普及するかは疑問
今回は8Kテレビの将来性について考えてみたいと思います。
目次
4Kが普及すると思う理由
まず最初に、なぜ僕が4Kが普及すると思うかについて軽く触れておきます。
一番の理由は、一般家庭のテレビの画面サイズが大きくなっていることです。
家電量販店でいま売れ筋のサイズは55インチだそうです。
この大きさになると、これまでのハイビジョン(2K)の映像の粗さが目立ってきます。
これに対して4Kの美しさは歴然です。4Kの圧倒的な美しさを知ってしまうと2Kには戻れなくなります。
大自然ものや芸術系(美術・音楽)、スポーツ、映画やドラマといったコンテンツでは、4Kの美しさが最大限に発揮されます。
スマホで動画を見る時代とはいえ、こういったコンテンツを大画面で楽しみたいという需要は、4Kテレビの出現によって喚起されると思います。
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8Kとは何か?
最初に8Kとはどのような映像技術なのか、簡単に説明しておきましょう。
この図にあるように、「4K」は、現在のハイビジョンの4倍の高画質を実現するもの、「8K」は、現在のハイビジョンの16倍という世界最高水準の高画質を誇る映像技術です。
音声にも大きな特徴があります。「22.2マルチチャンネル音響」という技術です。
この図のように、見る人を包み込むように22個のスピーカーから音が出ます。頭の上からも音が降ってきます。
このように、8Kというのは映像・音響ともに、4Kをはるかに凌駕した世界一のテレビなのです。
ですが僕は8Kは一般家庭に普及しないと見ています。それはなぜなのか。理由は3つあります。
- 画面サイズ
- 商品の選択肢がない
- コンテンツが限られている
- 22個もスピーカーを置けない
順にご説明しましょう。
8Kは70インチ以上でなければ意味がない
4Kと8Kの画質の差は、画面サイズが70インチ以上まで大きくならなければ感じ取ることができません。
僕の経験では、85インチまで大きくなると、たしかに8Kは圧倒的なクオリティを示します。
けれど、家庭用テレビがそこまで大きくなるかは疑問ですよね。
いま売れ筋の55インチで考えるならば、4Kで十分なのです。
8Kテレビはシャープの1機種しかない
僕が8Kの普及に疑問を抱いている2つ目の理由は、メーカーが8Kに投資していないことです。
2018年夏現在、8Kテレビを作っているのはシャープ1社のみです。
サイズは70インチ。価格は80万円以上と、簡単に買える商品ではありません。
8KコンテンツはNHKしか制作していない
最後の理由がもっとも重要なのですが、そもそも8Kのコンテンツが少ないという点です。
8KはNHKが開発してきた技術ですが、民放は4Kのみに力を注いでいます。
当初NHKは8Kのみで4Kには参入しないと表明していましたが、業界の流れに逆らえず4K番組の制作にも乗り出しました。
結果としてNHKは4Kと8Kの明確な差別化を打ち出せないまま、並行して制作するという中途半端な状況に陥っているように見えます。
この流れでは、将来的に8Kのコンテンツが充実することは期待できないと僕は考えています。
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22個もスピーカーを置けない
8Kとセットになっている「22.2マルチチャンネル音響」。このサウンドを聴くためには、スピーカーを22個、下から上までぐるりと取り囲むように配置する必要があります。
普通に考えて、これはまったく現実的ではありませんよね。
だって、5.1サラウンドでさえ、まったく普及していないのですから。
えいぷりお的まとめ
かつて僕たち(40代の中年サラリーマン)が子供だったころ、家のテレビは14インチのブラウン管が主流でした。
20年前にハイビジョンが普及し始めたころは、30インチでも「デカイ!」という印象でした。
それが今や55インチが売れ筋になっているというのは、隔世の感がありますね。
もしかしたら5年後には85インチが普通になっているのかもしれません。
そうなったら4Kよりも8K、という時代が訪れるかもしれません。
でも現状では、今回ご説明した4つの理由により、8Kが一般家庭に広く普及するのは難しいと僕は思います。
8Kの技術はもしかしたら家庭用テレビではなく、映画などのパブリックビューイングや、今後注目されるVR(ヴァーチャルリアリティ)に生かされていく可能性もあるかもしれません。
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