【痛風3】発作が起きてしまったら…痛風の治療法

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高尿酸血症(血中の尿酸の濃度が高まる症状)となった結果、ついに痛風の発作が起こってしまったら…どのように治療していけばいいのでしょうか。痛風の診断基準と治療法をお伝えします。

痛風発作はある日突然やってくる

Bunion with gout
痛風発作を起こしたことのある知人に話を聞くと、たいていの人は「ある日突然、激痛に襲われた」と言います。就寝中に起こることもあるようです。

発作が起こるきっかけは正確には分かっていませんが、関節内の滑膜(かつまく)に付着した尿酸ナトリウムの結晶が何らかのきっかけで剥がれ落ちて関節腔に落ち、それを異物と見なした白血球が総攻撃を仕掛けることで、すさまじい炎症が起こると考えられています。

滑膜に蓄積された尿酸ナトリウムの結晶が、いつ剥がれ落ちるかは、誰にも分かりません。激しい運動がきっかけになるとも言われますし、大きなストレスがきっかけになるとも言われていますが、完全にそれを予防することはできません。

高尿酸血症になってしまったら、常に痛風発作を起こすリスクを抱えていると思わなければなりません。

※痛風と尿酸値に関するこれまでの記事はこちら↓をご覧ください。

【痛風1】尿酸値が上昇!忍び寄る痛風の恐怖・・・その発症のメカニズムと症状

【痛風2】尿酸値が高くなってしまった時に、痛風発作を起こさない予防法

痛風の診断基準

病院では治療を行う前に、痛風かどうかの診断を行います。関節に激痛が走る症状には、他にも似た病気が考えられるため、まずは正しく診断しなければならないのです。以下に11項目の診断基準を列記します。

1. 発作後、24時間以内に痛みのピークに達する
2. 過去に2回以上、発作を起こしている
3. 1ヶ所の関節に症状が現れる
4. 関節が赤く腫れている
5. 足の親指のつけ根の関節に、痛みや腫れがある
6. 片側の足の親指のつけ根の関節に発作が現れる
7. 片側の足首の関節に発作が起こる
8. 痛風結節と疑われるコブがある
9. 尿酸値が高い
10. レントゲン検査をすると、関節が非対称的に腫れている
11. 数日経過すると発作が完全におさまる

これらの11項目のうち、6項目以上当てはまるものがあれば、痛風と診断されます。

痛風の治療には2つのステップがある

薬

痛風の治療には、次のような2つのステップがあります。

〔ステップ1〕痛みを抑える治療
〔ステップ2〕高尿酸血症を改善する治療

まずは、ステップ1で完全に痛みを取り除き、その後にステップ2に進みます。ステップ1は対症療法で、ステップ2は根本的な治療と言えます。

〔ステップ1〕痛みを抑える治療

痛風発作の痛みを抑える治療にも2種類あります。

一つ目は、発作の前兆があったときに行われる投薬治療で、コルヒチンという薬が使われます。これは白血球の働きを抑えることで、発作の進行を未然に防いだり、重症化しないようにしたりする作用があります。

二つ目は、すでに発作が始まってしまっているときに行われる投薬治療で、非ステロイド抗炎症薬が使われます。これによって、すでに起こっている炎症や痛みをやわらげます。

これらの治療を行って、痛みが完全に収まってからステップ2の治療に進みます。発作がおさまれば完治したように思いがちですが、痛風の根本的な原因は高尿酸血症です。その改善を目指すステップ2の方が、より重要で、より根気のいる治療になります。

〔ステップ2〕高尿酸血症を改善する治療

痛風の痛みが治まっても、尿酸値を下げずに放っておくと、いずれ発作が再発します。そして再発の頻度が高まっていき、慢性化してしまいます。さらには腎臓病や動脈硬化など、さまざまな合併症を発症するリスクが高くなっていきます。高尿酸血症を改善する治療は、非常に重要です。

尿酸値を下げる治療でも、薬物療法が行われます。高尿酸血症には、以下の3つのパターンがあります。

・尿酸が排泄されにくくなる「排泄低下型」
・尿酸の産生が増えすぎる「産生過剰型」
・2つのタイプの「混合型」

このため、尿酸値を低下させる薬にも、尿酸が過剰に生産されるのを抑えるものと、尿酸の排泄を促すものとの2種類があり、病気のタイプに合ったものが処方されます。

尿酸排泄促進薬
腎臓で行われる尿酸の再吸収を抑制することで、尿酸の排泄を促進する薬です。注意しなければいけないのは、服薬すると尿中の尿酸量が増えて「尿路結石」を起こしやすくなる点です。水分を十分に補給して尿中の尿酸の濃度を薄めたり、「尿アルカリ薬」を併用して尿酸が尿中に溶けやすくしたりして、尿路結石を防ぐ必要があります。

尿酸生成抑制薬
プリン体が尿酸に分解されるときに必要な酵素の働きを阻害することで、尿酸の産生を抑える薬です。

こういった尿酸値を下げる薬は、発作の痛みが落ち着いてから飲み始めますが、急激に尿酸値を下げてしまうと、関節内の滑膜に付着した尿酸ナトリウムの結晶が不安定になって剥がれ落ち、発作を誘発する危険性があります。このため、尿酸値を下げる薬の服用は、少量から始めて、慎重に増やしていくことが大切です。

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自己判断で服薬をやめてはならない

ステップ2の投薬治療によって尿酸値が目標値以下になっても、自己判断で薬の服用をやめたり、服用量を変えたりするのは非常に危険です。薬をやめたとたん、すぐに再び尿酸値は上昇してしまいます。その結果、尿酸値が不安定なって再発のリスクが高まります。さらには腎機能障害などの合併症を誘発させるリスクも高まります。

最低2年は投薬治療を続ける

ステップ2の治療の最終目標は、関節内に蓄積した尿酸ナトリウムの結晶を、痛風発作の危険がないレベルまで溶かすことです。

痛風発作を起こすほどの結晶というのは、何年もかけて蓄積してきたものですから、簡単には消えてくれません。高尿酸血症を改善する薬を、最低でも2年は飲み続けなければならないと言われています。

薬を飲むことで、高かった尿酸値は劇的に下がります。関節内に蓄積した尿酸ナトリウムの結晶を溶かすため、尿酸値の目標を6.0mg/dl以下になるよう薬でコントロールします。基準値の7.0mg/dl
よりも低い値をキープすることで、結晶が溶け出す環境を作るのです。

体質によっては、生まれつき尿酸の排出がされにくい体質だったりするケースもあるので、治療にかかる期間は人によって様々です。寛解状態に至るのに、最低2年程度は必要と言われていますが、人によっては10年近くかかるケースもあります。痛風が「一生つきあう病気」と言われる所以です。

時間はかかりますが、医師の指導をよく守って、根気よく治療を続けていきましょう。絶対に自己判断で薬をやめることがないようにしてください。

尿酸値を下げるための食事療法

粗食

これはステップ1、2と並行して取り組むことですが、尿酸値は食生活と密接な関わりがあるので、その改善が非常に需要になります。次のようなことに気をつけて、食事療法に取り組みます。

・1日に摂取する適正エネルギー量を守り、肥満を解消する。
・栄養バランスのとれた食生活を心がける。
・1日3食、規則正しく食べる。
・尿酸の排泄量を増やすために、水分を1日2リットル以上とる。
・アルコールを控える。
・塩分を控えめにする。

プリン体を多く含む食品を控えることが推奨されていますが、これは本質的にはあまり意味がありません。前の記事にも書きましたが、食品から摂取するプリン体の量を減らすことは、尿酸値の低下にほとんど影響しないと考えられています。プリン体の摂取が過剰になるのは問題ですが、あまり意識しすぎる必要はないでしょう。

痛風と間違えやすい病気

最初に痛風の診断基準について記しましたが、それには他の病気との間違いを防ぐという目的があります。痛風に似た症状を起こす病気には、以下のようなものが挙げられます。

偽痛風
関節部分にカルシウムの結晶が蓄積し、激しい痛みと腫れをともなう関節炎が起こる病気です。症状は痛風に似ていますが、痛風は男性に多いのに対して、偽痛風は男女ともに起こります。関節に蓄積する物質が異なるので、当然のことながら治療に用いられる薬も変わります。

関節リウマチ
たくさんの関節が腫れて痛み、しだいに関節が変形したり、破壊されたりする病気です。急な激痛に襲われる痛風と違って、関節リウマチの痛みはじわじわ進行して慢性化します。男性より女性に多いというのも特徴的です。

変形関節症
加齢や激しい運動などで、ひざなどの関節の軟骨がすり減り、骨と骨が接触して痛む病気です。歩いているときは痛みますが、痛風と違って、横になって安静にしていれば痛みがおさまります。

外反母趾
足の親指の根元の関節が曲がり、外側に飛び出した状態になります。関節の変形だけなら、それほど強く痛みませんが、炎症を起こすと赤く腫れて激しく痛むので、痛風と間違えることがあります。つま先の細い靴を履いて、長時間立ち仕事をしている女性によくみられます。

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