【ノロウイルス】激しい下痢と嘔吐を引き起こす感染性胃腸炎、感染を予防する対策

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ノロウイルスは、激しい下痢や嘔吐を引き起こす病原体です。冬に流行する感染性胃腸炎の主な原因で、感染力が非常に強いのが特徴です。保育園や幼稚園で子供が感染すると、あっという間に家族全員に感染します。感染を予防する具体的な対策をお伝えします。

【追記】2016/2017年シーズン、ノロウイルス大流行の兆し

2016年12月に入ってから、ノロウイルスによる感染性胃腸炎が大流行の兆しを見せているという報道が出始めました。最新情報は、こちらをご覧ください。

【ノロウイルス】2016/2017シーズン最新情報 大流行の兆しに警戒を

ノロウイルスはつらい!

「ノロウイルス」、私にとっては思い出したくない病原体です。幼い娘が幼稚園で集団感染し、看病していた私も妻も全滅・・・みんなでフラフラになりながら救急病院にかかって点滴するハメになったという、最悪の体験があります。

当時、私はノロウイルスの感染力を甘く見ていました。ネットで調べた妻は「消毒しなきゃ」と大騒ぎしていましたが、私は「大げさだな~」と悠長にかまえていたのです。結果は一家全員が感染・・・甘く見てはいけませんでした。

特に妻は「私がしっかりしなければ」と嘔吐を必死に我慢したらしく、ウイルスが排出されず、その後数ヶ月もの間、ずっと吐き気に悩まされました。

家族の誰かに感染の疑いがあれば、徹底的に感染を防ぐ!その意気込みで取り組まなければ、ほぼ確実に感染すると思っておいた方がいいでしょう。

冬はノロウイルスによる急性胃腸炎が多発する時期。11月から増加しはじめ12月~1月にピークになり、2~3月まで続きます。特に子供は、保育園や幼稚園、学校などで感染してきます。家族に患者が出たら、万全の対策を取って感染予防につとめてください。

「ノロウイルス」とは

死滅しにくい厄介な病原体

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ノロウイルスの一番厄介な所は、普通の殺菌方法では死滅しないことです。一般的な病原菌は、エタノールや逆性石鹸、衣類用の酸素系漂白剤(オキシドール)で死滅します。

しかし、ノロウイルスはこれらの方法では死滅しません。ノロウイルスを死滅させるには、85度で1分以上加熱するか、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を使用するしか方法はありません。

潜伏期間

ノロウイルスに感染してから、発症するまでの潜伏期間は20~48時間です。つまり、1~2日ほどで症状が現れはじめるということですね。

症状

水のような下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、発熱などの症状が起こります。熱は38度以下のケースが大半ですが、熱の発症とともにチクチクとした腹痛が徐々に始ります。下痢だけではなく嘔吐を引き起こすことが特徴です。

症状が持続する期間は1日半か2日くらいで、その後は快方へ向かいます。後遺症などを残すこともなく自然に治ります。ただし、乳幼児や高齢者は重症化する危険性があるので、注意が必要です。

強力な感染力

ノロウイルスは、たった数10個の数が体内に入っただけでも感染する強力な感染力を持っています。乾燥にも強く汚染されてから12日以上も経つカーペットを通じて感染が起こったケースも報告されています。酸にも強く、水中でも長時間生きていることができる非常に厄介なウイルスです。症状がとれて治ったと思われる人からも、1週間、ときには1カ月も糞便からウイルスが排泄し続けます。感染を広めないためにも、症状が治まったあと数日は家庭で安静にすることが重要です。

何度も感染する

ノロウイルスには、多数の遺伝子型が存在するため、同じ人が複数の違った型のウイルスに感染することがあります。さらに、感染が腸粘膜での局所感染なので、免疫の持続時間が短いことも特徴です。ですので、一度かかったからといって安心していると、短期間のうちに再感染を起こす危険性があるので、油断はできません。

「ノロウイルス」の治療法

ノロウイルスに対する特効薬はありません。対症療法を行うことになります。嘔吐や下痢や腹痛はつらいですが、2~3日で快方に向かうので、適切な対処をして乗り切ってくださいね。

脱水を防ぐ

もっとも大事なのは、脱水症状を防ぐことです。嘔吐や下痢を繰り返すので、補水することが必要になります。一番いいのは、余計な糖分を含まない経口補水液「OS1」です。スポーツドリンクのように味がないので、小さい子供は飲みたがらないかもしれませんが、ゼリータイプもあるので、活用してみてください。

 

おしっこが出なくなったり、目が落ちくぼんでいる、脈が速くなっている、呼吸が速くなっている、神経が過敏になっている、というような場合は、脱水が中程度以上に進んでいます。必ず受診して、点滴を受けるなどの処置を受けてください。

下痢止めは極力使わない

下痢止めを使うことによって、ノロウイルスが身体に留まってしまい、炎症を長引かせることになるので、極力服用しないようにします。

私の妻は、子供の看病のために、自分もひどい吐き気があるのに、それを我慢して嘔吐をこらえてしまったために、その後かなり長い期間、胃腸の痛みが治りませんでした。おそらくノロウイルスが排出されずに、胃腸に残ってしまったのでしょう。下痢も嘔吐も、ウイルスを外に出すために、必要なことでもあるんですね。

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「ノロウイルス」の感染予防

ノロウイルスの数少ない弱点のひとつは「熱」です。85度で1分以上加熱すると、感染性はなくなります。

もうひとつの死滅させる武器は「次亜塩素酸ナトリウム」です。「塩素系漂白剤」に含まれている成分です。「ハイター」、「キッチンハイター」などの商品名で市販されていますね。これに浸すと、ノロウイルスは失活します。後ほど、これらを希釈して消毒液を作る方法もご紹介します。

注意が必要なのは、「酸素系漂白剤」は効果がない、ということです。「ワイドハイター」などの商品は酸素系なので、ノロウイルスには使えません。似て非なるものなので、よく確認してくださいね。また、消毒用アルコールも、ノロウイルスには効きません。

二次感染を防ぐために、次に挙げるような細かい注意が必要になります。

トイレの後や食事の前の手洗い

特に食品を取り扱う人、調理をする人は確実に手を洗って下さい。「洗う」と「濡らす」では大違いです。石けんで、指の間や爪の間まで、正しい方法で念入りに洗うようにしてください。

参考に、東京都保険福祉局が作った「ガチャピン・ムックの正しい手洗い方法」の動画をどうぞ。かわいいキャラクターが教えてくれるので、お子さんも興味を持って見てくれると思いますよ。

トイレは必ずフタをして流す

開けたままでは、水洗の水の粒に含まれたウイルスがトイレ中に飛び散っています。便1gには1億個以上、おう吐物1gには100万個以上のウイルスが含まれていると言われています。飛び散った水滴が乾燥したら、ウイルスは空気中に拡散して、たった数10個吸い込んだだけで、新たな感染者を出すことになってしまいます。

調理器具は熱湯消毒

調理器具は洗剤で洗ったあと、熱湯で消毒します。ノロウイルスは85度で1分以上熱すると死滅します。調理器具は金属製のものが多く、塩素系漂白剤でいたんでしまうことがあるので、熱湯で消毒するといいでしょう。

タオルなど共用で使用するのを避ける

感染が疑われる期間は、使い捨てのペーパータオルを使うのが一番安全です。

患者は食品を直接取り扱う作業をしない

どんなに注意をしても、患者本人の体には、あちこちに病原体が付着しているものです。他の人が口にする食品を、絶対に扱ってはいけません。

食品は必ず加熱して食べる

ノロウイルスは85度で1分以上の加熱で死滅させられます。生野菜など、火を通さないものは摂らず、しっかり熱を通したお料理を食べるようにしてください。

嘔吐物や糞便の処理方法

私の娘も幼いころ、ノロウイルスに感染したときは、布団の上で吐いてしまったり、「おかあさ~ん」とフラフラ歩きながらリビングの真ん中で吐いてしまったり・・・下痢は水のようで、しょっちゅう衣類を汚してしまったりで、本当に大変でした。汚れた床や家具、衣類やシーツ、布団などを、どうすればいいのか、頭を抱えてしまいますよね。

嘔吐物と糞便の正しい処理方法を知るだけで、家族全員に感染、などという悲惨な事態を避けることができると思います。皆さん、「それは大げさだろ~」などと思わず、取り組んでくださいね。

使い捨ての手袋とペーパータオルを使う

使い捨ての手袋、使い捨てのペーパータオルを、惜しげもなく使ってください。また、飛沫や空気中に舞い上がったウイルスで感染することがあるので、マスクもしておいた方がいいでしょう。

嘔吐物や糞便を、使い捨て手袋とペーパータオルを使って、すぐに拭き取ります。これをビニール袋に密閉して捨てるのですが、ただ捨てるのではなく、消毒液に浸して捨てると万全です。

 

消毒液の作り方

消毒液は、このように直接、嘔吐物や糞便を消毒する場合には、「塩素系漂白剤を50倍希釈」して作ります。「1000ppm」という濃度になります。作り方は、次の通りです。

1.500ccのペットボトルに少し水を入れる。
2.塩素系漂白剤を約10cc入れる。
※じょうごなどでこぼさないように
※10ccの目安は、塩素系漂白剤のキャップ約半分ぐらい
※ペットボトルのキャップなら約2杯(1杯5cc)
3.水をいっぱいになるように入れる。
4.ペットボトルのふたをキッチリ閉め、よく振って完成

この消毒液にしっかり浸せば、嘔吐物や糞便を拭き取ったペーパータオルを消毒することができます。これをビニール袋に密閉して捨てます。使用した手袋も、密閉して捨ててください。

 

ちなみに、「ppm」という単位は、「パーツ・パー・ミリオン」と読み、100万分のいくらであるかという割合を示す単位です。主に濃度を表す時に使用されています。例えば、1000ppmは0.1%、200ppmは0.02%を意味します。

さらに消毒液で拭き取る

嘔吐物や糞便を拭き取ったあとの床や家具を、さらに消毒液で拭き取ります。この際には、先ほどの消毒液よりもうすいもので大丈夫です。「塩素系漂白剤を250倍希釈」して作ります。「200ppm」という濃度になります。作り方は、次の通りです。

1.500ccのペットボトルに少し水を入れる。
2.塩素系漂白剤を約2cc入れる。
※じょうごなどでこぼさないように
※ペットボトルのキャップで半杯弱(1杯5cc)
3.水をいっぱいになるように入れる。
4.ペットボトルのふたをキッチリ閉め、よく振って完成

この消毒液で床や家具をしっかり拭いて、最後に水拭きします。

嘔吐や下痢をしていない場所でも、患者が手を触れた場所、例えばドアノブなど、この消毒液でしっかり消毒するようにしてください。特にトイレのドアノブや洗面所の水栓は入念に。患者はトイレの後、病原体が付いた手のまま出てくるので、個室のカギやドアノブ、洗面所の水栓には病原体が付着してしまうのです。次に使う人は、こういったところから感染してしまうことになります。

塩素系漂白剤を使用する場合の注意点

塩素系漂白剤は、非常に強い作用を持っており、扱いには注意が必要となります。

・換気を十分に行う
・絶対に酸性のモノ(トイレ用洗剤など)を混ぜない
・皮膚への刺激が強いので、手袋を使用する
・皮膚に付着した場合は、大量の水で洗い流す
・目に入った場合は、すぐに大量の水で洗い流し、医師の診断を受ける

嘔吐物のついた衣類などの洗濯方法

衣類、シーツなど

衣類やシーツなど、洗濯ができるものは、まず250倍希釈の消毒液(200ppm)に浸けこんで漂白します。例えば、10リットルの水が入るバケツの場合は、約40ccの塩素系漂白剤を入れて、その中に汚染された衣類やシーツを投入して、30分ほど放置します。その後、洗濯機で普通に洗濯すればOKです。すすぎは念のため2回以上行うといいでしょう。

 

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布団など(洗濯機で洗えないもの)

布団のように洗濯できないものは厄介ですね。消毒液を使ってしまうと、すすぐことができないので、私の場合、熱湯を使いました。ヤカンに湯を沸かし、それを汚染された箇所に、しっかりしみこませます。何度も書いているように、ノロウイルスは85度で1分以上加熱すると死滅するので、熱湯をしっかりかければ大丈夫であろうと考えられます。それを天日に干します。

アイロンのスチーム機能を使う方法もあります。アイロンを、嘔吐物が付着した箇所に少し浮かせて、スチームを1分以上あてます。(私の場合は、布団の奥までちゃんと熱い蒸気が達するのか不安だったので、ヤカンの熱湯を使いました)

おだいじになさってください

こうして見ると、うんざりしますよね・・・感染力の強いノロウイルスから身を守るには、これだけ徹底して対策しなければならないんです。特に乳幼児や高齢者が家族にいる方は、感染させてしまうと重症化する危険性がありますので、「意地でも感染させない」つもりで取り組んでくださいね。数日がんばれば、嵐が過ぎ去ったように平和になりますから!

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