「げんきリズム」へようこそ!


【イタリア旅行記1】プッチーニの歌劇「トスカ」の舞台、ローマの観光名所を訪ねる

こんにちは! クラシック音楽大好きのえいぷりおです。

先日、仕事でイタリア・ローマに行くチャンスがあり、何とか時間を捻出して憧れの場所の数々を訪ねてきました。

そのひとつが、プッチーニの名作、歌劇「トスカ」の舞台となった3つの場所です。オペラファンには必ず行ってみてほしい!

というわけで、歌劇「トスカ」の舞台となった名所の魅力をお伝えします。

プッチーニはこんな人

前置きが長くならない程度に、プッチーニについてご紹介させてください。

ジャコモ・プッチーニ(1858~1924)は、イタリアを代表するオペラ作曲家です。ルッカという城壁に囲まれた美しい街で生まれました。宗教音楽家の家系で、ジャコモは5代目として教会のオルガニストも務めました。22歳でオペラ作曲家を志してミラノに出ます。

今回の出張では、仕事でフィレンツェを訪れた際に、ルッカまで足を運んできました。その旅行記はこちらです。

【イタリア旅行記3】オペラ作曲家プッチーニの故郷、ルッカを訪ねる

プッチ―ニの作品の魅力と言えば、甘美なメロディ、劇的な展開、細やかな心理描写… などでしょうか。世俗的すぎるといった意見もありますが、僕は大好きです。

よく知られたオペラ作品には「ボエーム」「蝶々夫人」「トスカ」「トゥーランドット」などがあります。

歌劇「トスカ」とは

(引用:松竹

歌劇「トスカ」が作曲されたのは、1900年。プッチーニが42歳のころの作品です。

舞台は1800年のローマ市。時代は、ナポレオン率いるフランス軍が欧州を席巻していたころ。全3幕からなり、ローマの実在する名所が舞台となっているのが大きな特徴です。

登場する主要な人物すべてが死んでしまうという衝撃的な内容だったため、初演は批評家から酷評されたといいます。

同世代の作曲家マーラーは、「今更これを最大級の駄作だ等という必要はあるまい」と、ほぼ全否定のようなコメントを寄せています。

ところが一般庶民は熱狂的に支持し、今日に至るまで最も人気のある演目として愛され続けています。

初演されたローマ歌劇場

物語の舞台をご紹介する前に、初演されたローマ歌劇場をご紹介しましょう。

今回の出張では残念ながらローマ歌劇場での観劇はできませんでしたが、空き時間に少しだけ中を見せてもらうことができました。

外観は意外にシンプルで簡素。パリ・オペラ座のようなゴージャスな雰囲気を期待していると、ちょっと拍子抜けする感じです。

ロビーの片隅には、1900年の「トスカ」初演時の舞台装置のスケッチが飾られていました。それは後ほどご紹介します。

劇場内は4層のバルコニーを持つ素晴らしい造り。天井のフレスコ画も見事でした。

この歌劇場は2014年に経営難で大変だったようです。終身名誉指揮者だったリッカルド・ムーティが辞任してしまったり、182人のすべての団員(合唱、オーケストラ)が解雇されそうになったり、存亡の危機だったとか。

今日まで運営が続いていてよかったです。いつか、この劇場で「トスカ」を見てみたいです。



第1幕の舞台、聖アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会

さあ、いよいよ物語の舞台です。

第1幕の舞台は、聖アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会(サンタンドレア・デッラ・ヴァッレ教会)です。

タクシーの運転手さんに聞いたのですが、ローマにはなんと600もの教会があるそうです。それがローマ人の誇りなのだとか。確かに街を歩いていると、いたるところに大小さまざまな教会があります。

聖アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会は、そんな街の教会のひとつです。

残念ながら僕が訪れた時間には、もうミサが終わってしまっていたようで、扉は閉まっていました。ローマ在住の友人によると、教会の中に入りたければ午前中がいいそうです。もちろん、中に入るのは無料です。

先ほど少し触れましたが、ローマ歌劇場のロビーに飾られていた「トスカ」初演時の舞台装置のスケッチはこちら(ガラスケースに入っていて、反射でうまく撮影できませんでした…)。

教会の聖堂の中ですね。高い天井、絢爛豪華な内装など、かなり忠実に再現されていたようです。窓から差し込む光が美しいですね。

「トスカ」の第1幕で有名なのは、トスカの恋人カヴァラドッシが歌うアリア「妙なる調和」です。教会の壁画を描く画家カヴァラドッシが、恋人の歌姫トスカと画のモデルになっている女性について「天はそれぞれに美と調和を与えている。しかし、わが心はトスカに」と歌い上げる愛の歌です。

動画をひとつ。スペイン生まれの名テノール、プラシド・ドミンゴ(1941~)です。やっぱりドミンゴは素晴らしいです!

そして、トスカに欲情する警視総監スカルピアが現れ、彼らの運命が絡み合いはじめます。

第2幕の舞台、ファルネーゼ宮殿

「16世紀のイタリア建築においては最も壮大で素晴らしい建築」と評され、盛期ルネサンスの代表的な建築として知られるファルネーゼ宮殿が、第2幕の舞台です。

余計な装飾のない四角い建物ですが、近づいてみると、圧倒されるような威圧感があります。正面の巨大なドアなど、一度入ったら出てこられないような重厚な雰囲気が感じられます。

建物の横に回り込んでみると、奥行もかなり大きく、巨大な建築物であることが分かります。

「トスカ」第2幕で、ファルネーゼ宮殿は警視総監スカルピアの公邸として描かれています。ここでスカルピアはトスカへの欲情をむき出しにします。恋人カヴァラドッシの命と引き換えに貞操を捧げるよう迫るのです。

この場面で歌われるのが、トスカの名アリア「歌に生き、愛に生き」です。痛切な心の叫びを歌い上げるこのシーンは、歌劇「トスカ」最大の見せ場です。

このアリアの動画をひとつ。ルーマニア出身の名ソプラノ、アンジェラ・ゲオルギュー(1965~)による絶唱です。バックショットから入り、ワンカットで見せてくれるシンプルな映像で、歌の魅力を堪能することができます。

ファルネーゼ宮殿は、現在はフランス大使館となっています。普段は中に入ることはできませんが、事前申し込みをするとガイドツアーに参加できるそうです。

中に入ると、素晴らしいフレスコ画に包まれた絢爛豪華な部屋があるようです。「トスカ」初演時の舞台装置のスケッチにも、その様子が描かれています(こちらは上手に撮影できました!)。

この美しい場所で、カヴァラドッシは拷問され、トスカはスカルピアを刺殺するのです。

こうして実際に現場に立ってみると、「トスカ」のドラマが、よりリアルに感じられてきます。あー、中に入りたかった!



第3幕の舞台、聖アンジェロ城

「トスカ」第3幕は、カヴァラドッシが銃殺刑に処され、トスカが城壁からテヴェレ川に身を投げる壮絶な幕切れとなります。

その舞台となるのが、聖アンジェロ城(サンタンジェロ城)です。

テヴェレ川にかかる橋の向こうに、巨大な要塞が見えてきます。近づくほどに、その大きさに圧倒されます。

この橋の欄干には、10体の天使の像が置かれています。城の名前「アンジェロ」とは、イタリア語で「天使」を意味します。要塞と天使、不思議なコントラストです。

10体の天使像のうち2体は、イタリア・バロック最大の巨匠ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(1598~1680)の作品。とても見ごたえがあります。天使像の下に立つと、ひとつひとつの大きさにびっくりしますよ。

14ユーロの入場料(2018年3月現在)で、中に入ることができます。たくさんの観光客! 薄暗い階段をのぼっていきます。

トスカの恋人カヴァラドッシは、この階段を上って処刑の場に連行されたのでしょうか。

城の中はかなり広くて、上の写真のような装飾された部屋や、珍しい楽器が置かれたベッドルームなどもあります。ただの要塞ではなく、立派な宮殿のような機能も合わせ持っているようです。

というのも、この城はバチカンのサン・ピエトロ大聖堂とつながっていて、ローマ教皇が避難できるようになっているのです。

この写真は聖アンジェロ城の屋上から撮影したものです。左上に見えるのが、バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂です。手前の城から通路が伸びているのが分かりますか?これが一直線に聖堂とつながっているのです。

一説には、この通路とは別に、ローマ教皇の逃げ道として地下道も作られているとか。

ちょっと話が脇道にそれてしまいました。「トスカ」の第3幕は、ここ聖アンジェロ城の屋上が舞台となっています。屋上の様子がこちら。

ここでトスカの恋人カヴァラドッシは銃殺刑に処されます。その直前、トスカを思って悲痛な思いを歌い上げるのが「星は光りぬ」です。こちらもドミンゴの動画をご紹介しましょう。

だまされたことを知ったトスカは、ここからテヴェレ川に身を投げるのです。

城の屋上は、かなりの高さです。今はテヴェレ川が少し離れていますが、ローマに生まれ育った友人によると、以前は城壁にもっと近いところを流れていたそうです。

えいぷりお的まとめ

ローマの名所の中から、プッチーニ歌劇「トスカ」に関わる場所にフォーカスして、ご紹介しました。

オペラの舞台が実在の名所というのは、実は珍しいケースかもしれません。「トスカ」ファンの方は、ぜひ一度訪ねてみてはどうでしょうか。

イタリア旅行記の第2弾として、レスピーギの傑作「ローマの噴水」の名所もめぐりました。こちらの記事も、ぜひご覧ください。

【イタリア旅行記2】レスピーギ作曲「ローマの噴水」で描かれた観光名所をめぐる

今回ご紹介した場所はこちらの地図をご参照ください。

クラシック音楽の記事について

子供のころから大好きだったクラシック音楽について書いてみることにしました。

様々な音楽ジャンルの中でも「敷居が高い」と敬遠されがちなクラシック音楽。分かりやすく口ずさめるポップスなどと違って、確かにクラシック音楽は複雑だったり長すぎたりと、ちょっととっつきにくい面があるかもしれません。

ですが、だからこそクラシック音楽は奥深いんです。その魅力を僕自身も再発見しながら書いていきたいです。

クラシック音楽の記事まとめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です