【クラミジア】感染者100万人を超える最大の性病、その症状と治療法

スポンサーリンク

近年増加の一途をたどる性感染症。その中で感染者が最も多いのが「クラミジア」で、その数は100万人を超えると言われてます。症状はあまり表に出ず見過ごされがちですが、女性が感染すると不妊や子宮外妊娠のリスクが増すため、甘く見ることはできません。

クラミジアとは

性感染症の基礎知識

クラミジアについて説明する前に、まずは性感染症の基礎知識に触れておきます。

性感染症とは、性行為によって感染する病気の総称です。以前は「性病」という呼び方が一般的でした。また、「Sexually Transmitted Diseases」略して「STD」とも呼ばれます。

感染症法の規定では、主な性感染症として次の6つを挙げています。

・性器クラミジア感染症
・性器ヘルペスウイルス感染症
・尖圭コンジローマ
梅毒
・淋菌感染症
・B型肝炎

一般に性感染症という場合には、より広範な病気を指し、以下のようなものも含めて考えます。

・HIV感染症/エイズ
・腟トリコモナス症
・性器カンジダ症
・非クラミジア性非淋菌性尿道炎
・ケジラミ症
・疥癬
・軟性下疳
・A型肝炎
・C型肝炎
・赤痢アメーバ症
・細菌性腟症
・伝染性単核球症(キス病)
・サイトメガロウイルス感染症
・成人T細胞白血病

また、「性行為」とは、腟性交(通常のセックス)だけでなく口腔性交(オーラルセックス:フェラチオ・クンニリングス・リミング)、肛門性交(アナルセックス)も含めるのが一般的です。リミングといのは聞きなれない言葉かもしれませんが、口で肛門に触れる行為を指します。

このように性感染症には数多くの種類がありますが、その中で最も感染者が多いのが、今回取り上げている「クラミジア」です。正式には「性器クラミジア感染症」といいます。

%e3%82%af%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%82%b8%e3%82%a2%e6%84%9f%e6%9f%93%e8%80%85%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%95

クラミジアの病原体

%e3%82%af%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%81%ae%e7%97%85%e5%8e%9f%e4%bd%93

性器クラミジア感染症の病原体は、「クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)」という細菌です。

クラミジア・トラコマチスは、宿主細胞の中でしか生存・増殖することができない、という性質を持っています。

例えば大腸菌などは、手拭きタオルやスポンジなどの中でも生存・増殖することができます。これに対してクラミジア・トラコマチスは、細胞の中でなければ生きていくことができない、ある意味、非常に生命力の弱い菌ということができます。

このため、クラミジアの感染経路は、「粘膜同士の直接接触以外ない」ということになります。

クラミジアの感染経路

あらゆる性行為(セックス、アナルセックス、オーラルセックス)を通じて感染します。オーラルセックスでは、咽頭(のど)へも感染します。

また、妊婦がクラミジアに感染している場合、出産時に赤ちゃんに感染することが分かっています。

若い女性の感染者が多い

%e3%82%af%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%82%b8%e3%82%a2%e5%b9%b4%e9%bd%a2%e5%88%a5%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%95

クラミジアに感染する患者は、20代の女性が最も多く、女性患者全体の6割を占めます。20歳から24歳までの女性患者数は、男性患者数の2倍近い数にのぼります。

15歳~19歳の女性患者数も非常に多く、感染率の高さが将来的な不妊につながる恐れがあります。厚労省の報告数事態も、自覚症状が出たため受診した、別の症状で受診した際に判明した患者数のみです。潜在的な患者数は数倍にのぼると考えられます。

一般の高校生を調査したところ、性経験者のうち、女性では13.1%、男性では6.7%が感染していたとの結果が報告されいてます。

クラミジアの症状

男性の症状

男性が主に感染するところは尿道です。 尿道炎や精巣上体炎(副睾丸炎)などの症状が出ます。主な症状には、次のようなものが挙げられます。

・尿道からの分泌物(うみ)
・軽い排尿痛
・尿道のかゆみや不快感
・精巣上体の腫れ
・軽い発熱や痛み

尿道から分泌されるうみは、さらさらしたものから粘りのあるものまで様々で、量は少なめです。ただ、感染した男性のおよそ50%は、こうした症状がまったく起こらないため、感染に気付かず放置されることになります。

女性の症状

女性の場合は、子宮頸管 (子宮入口の管)へ感染し、子宮頸管炎をおこします。その後、腹腔内に進入し、骨盤内で様々な症状が出ます。

・おりものの増加
・不正出血
・下腹部の痛み
・性交時の痛み

ただし、感染した女性のおよそ80%が、全く症状を感じないと考えられています。その場合、放置されて感染を拡大してしまったり、体内で知らず知らずのうちに病気が進行することになります。

咽頭(のど)に現れる症状

オーラルセックス(フェラチオ・クンニリングス・リミング)による咽頭(のど)のクラミジア感染が増加しています。

女性が男性に対してフェラチオした場合、

・男性の性器から女性の咽頭に感染する可能性
・女性の咽頭から男性の性器に感染する可能性

どちらの感染もあり得ます。男性が女性に対してクンニリングスした場合も同様です。

咽頭にクラミジアが感染すると、咽頭炎などを起こします。慢性の扁桃腺炎になることもあります。主な症状としては、次のようなものが挙げられます。

・のどの腫れ
・のどの痛み
・発熱など

これらは一般的な風邪の症状と見分けがつきにくい上、このような症状も現れない場合が多く、やはり見過ごされることになります。

実際には、性器クラミジアに感染している女性の10~20%は、咽頭からもクラミジアが検出されているという調査報告があります。

症状に気付かないことが最大の問題

男女別の症状を見てきましたが、実はほとんどの人は症状が現れません。それが最大の問題点となっています。

男性の場合、治療せずに放っておくと、 前立腺炎 や 血精液症 (血精液症参照)になることも
あります。

女性の場合、感染したまま放っておくと卵管炎を起こし、不妊症や子宮外妊娠の原因となります。さらに上腹部へ感染が広がると肝周囲炎を引きおこします

エイズなどに感染しやすくなる

クラミジアを放置しておくとエイズや淋病などの他の性感染症へもかかりやすくなることが分かっています。なんと感染する確率が3~5倍にもなると言われています。クラミジアそのものの症状は軽いものですが、そこから波及するリスクは看過できないものがあるのです。

スポンサーリンク

クラミジアの検査と治療

クラミジアの検査方法

自覚症状があったり、パートナーがクラミジアに感染していることが分かった場合には、以下のような検査をすることでクラミジアに感染しているかどうかが分かります。

・男性・・・初尿(出はじめのおしっこ)を検査
・女性・・・子宮頸管からの分泌物を検査
・咽頭・・・咽頭周辺のぬぐい液やうがい液などで検査

パートナーが感染している場合は、かなり高い確率でもうひとりも感染しています。ですので、ふたりで一緒に検査を受け、ふたりで一緒に治療に取り組むことが重要となります。

ひとりだけが治療を行って完治したとしても、パートナーとの性行為によって再感染することになります。このように完治と再感染を繰り返すことを、卓球のラリーに例えて、「ピンポン感染」などと呼びます。このような事態を避けるためにも、ふたり一緒の検査・治療を行うようにしましょう。

病院ではどの科にかかるべきか

クラミジア感染が疑われる場合、どの科を受診すべきなのでしょうか。

男性の場合、尿道に病原体が集中することが多いので、泌尿器科か性病科を受診するといいでしょう。

女性の場合は、婦人科(産婦人科)、性病科にかかるのが一般的です。

咽頭(のど)に症状が現れている場合には、耳鼻咽喉科にかかるようにしてください。

クラミジアの治療

検査でクラミジアが検出されたら、1日~1週間、薬を服用します。

病気が進行していて、劇症骨盤腹膜炎や肝周囲炎などの症状が出ている場合には、3~5日ほど点滴を行います。

服用するのは抗生物質で、最もよく使われているのは、マクロライド系と呼ばれる種類の抗生物質で、ジスロマック、クラリス、クラリシッドといった商品名の薬剤が処方されます。

%e3%82%b8%e3%82%b9%e3%83%ad%e3%83%9e%e3%83%83%e3%82%af

中でも、ジスロマックはクラミジア感染症のほとんどの治療ができ、1回服用するだけで7日間効果が持続する優れものです。効果のある確率は、およそ90%と言われていて、海外でも国内でも、もっともよく使用されている薬です。妊婦や妊娠の兆候などがある場合も安心して服用できるものとされています。

%e3%82%af%e3%83%a9%e3%83%aa%e3%82%b7%e3%83%83%e3%83%89

クラリシッドは、呼吸器や耳鼻科の疾患、性病などの治療薬として処方される抗生物質です。クラミジアの場合には、毎日1回1錠を朝と夕方の2回に分けて服用します。服用する期間は、個人差はありますが、約1~2週間程度がかかります。

そのため、服用回数も服用期間も少なくてすむジスロマックの方が、よく用いられるようです。

これらマクロライド系の他の選択肢としては、ニューキノロン系(クラビット、オゼックス、トスキサシン、ガチフロ)、テトラサイクリン系(ミノマイシン、ビブラマイシン)なども挙げられます。

医師の指示に従って抗生物質を服用した後、クラミジアが陰性になっていることが確認できたら治療は終了となります。再発することなく完治する病気ですので、安心してください。ただし、しつこいようですが、「再感染」はあり得ますので、以下のような予防法を徹底するようにしたいものです。

クラミジアの予防法

特定のパートナーとのみセックスする

%e6%81%8b%e4%ba%ba

性感染症が広がるもっとも大きな原因は、不特定多数とのセックスです。これを避けることが、感染を予防する第一歩となります。

「感染していない者同士のセックス」 では感染の可能性はありません。重要なのは「現在のセックスパートナーがお互いのみであること」 と、「検査を受けて、お互いが感染していないことを確認していること」 が前提条件になります。

コンドームを使用する

クラミジアの予防にはコンドームの使用が有効です。これは、難しいことではないと思います。

ただ、オーラルセックス(フェラチオ)をするときにもコンドームを着用する人は、かなり少数派と思われます。クンニリングスをする際にも、本当ならばラップなどを当てて、直接口が女性器に触れないようにすることが求められるのですが、これを実践している人はほとんどいないでしょう。

これについては、口を介して感染することを理解し、極力オーラルセックスを避けるようにするしかありませんね。

クラミジアが不妊症・子宮外妊娠・の原因に

クラミジアに感染したまま放っておくと、クラミジアは子宮頸管→子宮→卵管→卵巣というように、だんだん奥へと広がっていきます。この中の「卵管」は卵子が子宮にたどり着くための大切な管(くだ)なのですが、この箇所でクラミジアが増殖してしまうと、管の中がくっついてしまい、卵子が通れなくなります。そのせいで、妊娠できなくなったり、思わぬ場所で妊娠してしまったりします。不妊で受診して初めてクラミジア感染に気づく例は少なくありません。

妊婦の7.3%がクラミジアに感染している

%e5%a6%8a%e5%a9%a6

全国で約32万人もの妊婦(症状を感じていない人たち)を対象にした大規模調査が行われ、20代前半の妊婦のうち7.3%がクラミジアに感染しているという、衝撃的な結果が出ました。

「自分は感染しているはずがない」などとは、決して言えないのです。妊娠したら必ず性感染症の検査を受けるようにしてください。

妊婦のクラミジアは赤ちゃんに感染する

Newborn holding mother's finger.

クラミジアに感染した母親が出産するとき、赤ちゃんに母子感染するリスクがあります。

ここまで述べてきたように、大人がクラミジアに感染しても、症状は軽くすみます。しかし、新生児に母子感染した場合、生後5日くらいの間に結膜炎や肺炎などを発症します。特に肺炎を発症した場合には、命に関わる重篤な事態に至ることがあります。母子感染によって新生児が肺炎を発症する確率は3~18%程度と言われていて、決して低い確率ではないのです。

大切な赤ちゃんを守るためにも、妊娠したら必ず検査!を徹底していただきたいと思います。

スポンサーリンク

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ